脳内

鉄アレイ(担任)「もう一度聞くぞ、大沼。1+1は?」 



ヒロシ「∞(むげんだい)です」



鉄アレイ「2だよ、2!! なんだよ∞って!! アシュラマンか!!」



ヒロシ「可能性とは無限にあるものです。1+1の可能性だって、例外じゃない。

2が答えとは限らない。限らないんです!!」



鉄アレイ「はぁ? バッカじゃねえの!? バッカじゃねえの!? 頭の中身どうなってんの!? 中身見せてみろよ」



ヒロシ「てなことで、学校で、上記のようなことがあったんだ。鉄アレイの件は微笑町教育委員会に『教師のこころない一言で、心がとても傷つきました。夜眠れません。PTSDです。夢でうなされます。PTSDです。診断の結果? そんなの受けなくてもわかります。PTSDです。疑うんですか。訴えます』と連絡しておいたから、失格教師強制収容所(穴を10メートル掘り、掘り終ったらその穴をすぐ埋めるという労働が永久に続く、ある意味快楽の園)送りで一安心なんだけど、なんというか、本当に自分の頭の中を覗きたくなったんだよ」



マルぼん「それなら簡単さ。この『脳内USBコード』で脳とパソコンを繋げば、好きなだけ見ることができるよー」



ヒロシ「……それ、前も使ったよね。たしか外科手術が必要で、その手術は激痛が」



マルぼん「さぁ、手術の準備はできているよ」



ヒロシ「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」



 そして



ヒロシ「へえ。これが僕の脳内か。お。ルナちゃんフォルダだって。あ、今まで僕が妄想したルナちゃんの痴態が、全て残されているぞ」



 パソコンに映し出された自分の脳内のフォルダを見て、感心するヒロシ



ヒロシ「へえ。ナウマン象フォルダ。あ、今まで僕が妄想したナウマン象の痴態……」



マルぼん「ど、どした!?」



ヒロシ「ぶぶぶっぶぶぶぶっぶぶぶぶぶっ!!」



マルぼん「こ、これは…ウイルス!!」



 どうやらUSBを通じて、ヒロシ脳がコンピューターウイルスに犯されたようです。マルぼんは、未来の世界の消費者センターに連絡しました。



マルぼん「脳を初期化するしかない!?」



ヒロシ「ハーイ チャーン バブー」



 そんなわけで、脳を初期化したヒロシは、二度目の0歳を満喫しています。安心してください。ヒロシは国が責任をもって育ててくれます。マルぼんも新たな人生を満喫します。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る