惚れて山男

金歯「朕の従兄弟が山登りが趣味でね『今度登山に行くけど、もしよかった皆さん一緒にどうですか』って」



ナウマン象「わーお」



ルナちゃん「いくいくー! いっちゃうー!!」



ヒロシ「この僕も、大沼ヒロシも行くぞ!」



金歯「悪いね、目的地の山は4人用で、5人以上が同時に入山したら、山の神から天罰が下るんだ。天罰によって多くの人命が失われることだろう。第一、体力のないヒロシには登山なんて無理無理。夢のまた夢」



ヒロシ「くやしいー!」



マルぼん「なんて陰険なやり口だ!  かまうことはねえ、マルぼんたちも登ってやれ!」



ヒロシ「でも、金歯のおっしゃる通り、僕には体力もないし」



マルぼん「ここの未来の世界の登山靴がある。この靴を履いて登山をすると、体力の消耗が普段の三分の一になる。これなら登山も可能さ」



 さっそく、マルぼんとヒロシは、金歯どもが山登りを満喫している山へ向かいました。ちょうど金歯とその従兄弟、あとナウマン象とルナちゃんの4人が山に登るところでした。



ヒロシ「よし、我々も行こう!」



マルぼん「おうよ!」



金歯「あ、貴様ら! 来るなと言ったのに、来るなと言ったのに!」



 そのときでした。



ナウマン象「う、うわー!」



金歯「土砂崩れでおじゃるよ!」



金歯の従兄弟「こ、これは天罰!? 5人以上が山に入った天罰だっ!」



 マルぼんたちは、土砂に巻き込まれました。数時間後に救出され、近くの病院に搬送されたのですが、全員、虫の息。



医師「今夜がヤマですね」



 いまだ意識が戻らないヒロシを前に、医師が言いました。



医師「今夜さえ、今夜さえ乗り切ればなんとか…あとは気力の問題です」



 マルぼんは、ヒロシにヤマ登りを満喫させてくれている『みらいのせかいの登山靴』の効果は絶大だと思いました。

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