焚書

ヒロシ「お母さん、ボクね、勉強して賢くなって将来科学者になる」



ママさん「あらあら。突然どうしたの?  望みは高く果てしなくもいいけど、突然だからわからんちんどもとっちめちんよ?」



ヒロシ「科学者になってパソコンの中にはいる機械を開発して、エロゲーのヒロインとねんごろな仲になって、一生桃色ビンビン状態ですごすんだ」



 懐から取り出したクロロホルムを染みさせたハンカチでヒロシを眠らせるママさん。



ママさん「こいつのせいで、うちの跡取り息子が発狂した!」



 懐から取り出した鈍器のようなものでパソコンを破壊するママさん。ヒロシ秘蔵のDVDやゲームも、すべて燃やされました。



ママさん「こいつらのせいで! こいつらのせいで!」



マルぼん「ゲームやら映像作品やらの悪影響があることは認めますけど、やっぱり親の教育が肝心なんじゃないかと思うのですが。包丁が悪いのはなくて、包丁を正しく使わない人が悪いのであって」



ママさん「悪いのはアニメ!  悪いのは漫画!  悪いのはゲーム!  私じゃない!マルちゃん、ヒロシをこの世のすべての悪影響から守ることのできる機密道具だして!」



 大家には逆らうことのできない悲しい居候であるマルぼんは、言われるままに機密道具をだすことにしました。



 マルぼんは、パソコンと脳をつなげることができる機密道具『人体USBケーブル』を取り出し、壊されなかったヒロシのセカンドマシンとヒロシ脳をつなげました。



 つぎに、この前買ってきた機密道具『脳ファイアーウォール』のソフトをパソコンにセット。『人体USBケーブル』で、『脳ファイアーウォール』をヒロシの脳にインストール。



マルぼん「このソフトを脳にインストールすることで、精神に悪影響を与えそうなものを目の前から自動的に消去してくれます。はい、セット完了~」



ママさん「これでヒロシはあらゆる悪影響から守られるのね」



マルぼん「あ。ヒロシが目覚めますよ。目覚めた瞬間、『脳ファイアーウォール』の効果は発動します」




ヒロシ「う~んむにゃむにゃ。いつのまにか眠ってしまったようだね。あれ?  なんでこんなところに母さんの服が落ちているの?  あ、これ、さっきまで母さんが着ていた服だ。ここで着替えたの? 母さんはどこへ」

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