飛べ! 大沼! 未来へ!
司会『で、どんぞ子ちゃんには付き合っている男性とかいるの?』
どんぞ子『いませんよう。でも、気になっている人はいたりします。友達よりも大事な人が』
司会『おう! 今をときめくトップアイドルのどんぞ子ちゃんに気になる人がいるとは! で、でで。どんな人なの?』
どんぞ子『親戚のおばさんに連れて行かれたところで出会った方なんです。髪はボサボサでヒゲはボーボーで、はじめは変な人だと思ったんですけど、話してみるとおもしろくて。心がスッとするんです』
司会『人は見かけによらないという話だねえ』
どんぞ子『最近では両親よりも尊敬できる人なんです。そうそう。その人には特技があるんです。空中浮遊なんですけど』
司会『はい?』
どんぞ子『あぐらを組んだまま、宙に浮くことができるらしいんです。ほら、この写真のとおり。すごいでしょ』
司会『で、ではさっそく唄のほうへ』
どんぞ子『あのお方こそ神。あのお方こそ真理。あのお方こそ…』
番組の途中ですが、しばらくの間素晴らしい音楽と映像(花畑)をお楽しみください。
ヒロシ「マルぼん! どんな愚か者でも空中浮遊できる機密道具だして!」
マルぼん「できてもアイドルと付き合えないよ」
己のすべてを捧げても悔いはないくらい大好きなアイドルの理想の人が「空中浮遊できる人」だったことにショックを受けたヒロシは、空中浮遊ができるようになる機密道具をマルぼんに要求し、マルぼんは言われるままにそんな機密道具を用意するのでした。
マルぼん「これが『人体浮遊装置』。これを君の体に接続すれば、空中浮遊できるようになる。でも人が単独で空中浮遊をするには、とてつもないエネルギーが必要なんだ。エネルギーをためる方法はただひとつ『ひたすら走る』こと。君に、この装置をエネルギーでいっぱいにするという気概はあるのかい?」
ヒロシ「当然の如く! エリカと付き合えるなら、たまに来るヘルパーさんとの会話だけが生きがいの哀れな独居老人ですら躊躇なく殺すよ、僕は!」
マルぼん「その意気込みやよし。この機密道具をうぬに託そう」
その後のヒロシは、まさに鬼。学校もなにもかも投げ出して、ひたすら走り続けたのです。その甲斐あって装置はエネルギーで満たされ、ヒロシは空中浮遊に成功したのでした。
ヒロシ「見てよ、みんな。僕浮いている。宙に浮いているー!」
ナウマン象「げ…あいつ…あいつ宙に浮いているよ…」
ルナちゃん「なんか…気色悪いね」
大脳「近寄ったらなにをされるかわからないでヤンス…膝に金属片を入れられたりとか…」
金歯「さわらぬ神になんとやらでおじゃる」
宙に浮くことに成功したヒロシは、仲間内でも浮くことに成功したのでした。のち、孤独死。うさぎと一緒ですね。
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