やつは社長で小学生
大沼ヒロシ、現在、親の残した鉄工所(『ミナミの帝王』でサワキはんの顔なじみ的なおっさんが経営している鉄工所みたいなカンジです)を経営しておりますが、売り上げは芳しくありません。この物語は、小学生社長ヒロシによる、汗と涙の物語であります!
ヒロシ「もうすこしコストを下げることができたら、売り上げにも余裕がでるんでしょうが」
マルぼん「人件費とか輸送費が赤字の原因だねえ」
ヒロシ「そういったコストがゼロになるような機密道具、ないの?」
マルぼん「『コストポスト』。このポストに『どれだけ自分がコストを下げたいか。どれほど会社のことを考えているか』を書いたハガキを投函する。すると、コストが下がる。ハガキに熱意が篭っていればいるほど、コストは下がるんだ」
ヒロシ「よし。書くどぉ。オラ、ハガキ書くどぉ! どしどし書くどぉ!」
ヒロシがハガキに書いた『コスト削減に関する思い』は素晴らしいものでした。マルぼん、泣きました。泣きました。
マルぼん「このハガキなら、すごい勢いでコストが下がるよ、きっと!」
さっそく『コストポスト』にハガキを投函するヒロシ。
ヒロシ「ぎゃー!」
不良品だった『コストポスト』は爆発しました。
「申し訳ありません。社員一同、一生かけて償います」とは、『コストポスト』を製作した機密道具メーカーの社員たち。土下座しながら泣いています。
マルぼん「それならば」
彼らはいま、償いのため、ヒロシの鉄工所で無償で働いています。こうして数人分の人件費がうきました。マルぼんは『コストポスト』の効果は絶大だと思いました。
あの日以来、ずっと病院のベッドの上で眠るヒロシの顔も、心なしか微笑んでいるような気がしました。
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