ヒロシ、下町のムツゴロウさんと出会う。

 ヒロシが部屋に帰ると、あちこちに隠していた卑猥本の数々がきちんと整理されて机の上に置かれていました。



ヒロシ「うわぁぁぁぁ、母さんの仕業だぁぁぁぁぁ」



マルぼん「ご愁傷様」



ヒロシ「マルぼん、どこに隠しても卑猥本がすぐに発見されるんだ! 容易に発見されなくなる機密道具だしてえ!」



マルぼん「この薬を飲めばいいだよ」



ヒロシ「ごくごく。飲んだよ。これで、卑猥本の隠し方が上手になるんだね」



マルぼん「いや、今の薬は『卑猥絵を見てもなんの感情も湧かないけれど、動物を見ると異様に欲情するという性癖をもつようになる薬』」



ヒロシ「な、なんでそんなものを!」



マルぼん「そもそも、隠す必要があるものに欲情するからだめなんだ。部屋にあっても大丈夫なものに欲情するようになれば、そもそも隠す必要はない! 動物の本とかなら部屋にあっても不自然じゃないからな」



ヒロシ「そ、そんな卑猥絵に欲情できなくなるんて、いやだ、いやや! あ、この本に載っている猫ちゃん……すげえ色っぽい! ハァハァハァハァ……」



 そしてヒロシは、己の欲望を満たすべく、動物の本とかを買い漁るようになりました。ママさんも「最近のヒロシは動物好きね」と思っていたのですが、しばらくすると「やっぱおかしいでこの子。動物見て、ハァハァ言うとる」ということで、ヒロシをだいがくびょういんに連れて行って頭を検査し、最終的には白くて綺麗で山奥にある建物で療養させることにしました。もし町でヒロシを見かけたら、逃げ出しているということなので、むやみに近づいたりせずに、すぐに通報してください。止む負えないときは、地元猟友会に連絡してください。

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