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小学生の頃

キャンプでの出来事。


山の中のキャンプ場でテントを張って

夜にキャンプファイヤーをした。

その時のゲームで

各自60秒数えて手をあげるというのをやった。

ピッタリ60秒を競うゲームだ。

キャンプファイヤーを囲んで円になり

隣の人とはわりと距離をおいて立っていた。

心の中で60秒数え終える頃




「60秒」




耳元で低い男の声がした。





全身の毛が逆立ったんじゃないかというくらいものすごい寒気に襲われて

一瞬固まった。

振り返っても誰もいない。

暗闇が広がっているだけだった。


思い出して手をあげた。

もう、数秒過ぎているだろうけど。



「はい、では60秒に一番近い人を発表します。え?あ、はい…わかりました。もう時間なので解散します。気をつけて帰ってください」




結局、誰が近いのか分からず終わった。

イタズラだったのか?

みんな静かに数えていたので

キャンプファイヤーのパチパチと燃える音以外聞こえなかったし

砂地で足音をたてずに耳元までくるのは難しいと思う。

息づかいが分かりそうなくらい耳元だったけど、息はかからなかった。


だけど

なんで60秒を教えてくれたんだろ?


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