レンサ

第1話 ウレシイ....

君は、俺を信じるか?俺は、君を信じたい。

でもね、俺には無理なんだ。弱いから... 君だって、すぐに嘘をつくよ...あいつみたいに...




俺は、高校入学して早々に、恋をした。 誰が見ても可愛いあの子は、みんなに優しく頭も良かった。


俺は、あの子の虜になっていった。毎日暇があれば、いつのまにかあの子に、目線がいっていた。そして、あの子と目が合うと毎回、反則級の笑顔で微笑み返してくれた。

友達なんか、ろくに出来ず毎日教室の隅で、ラノベを読んでる僕でも、あの子の噂話には、聞き耳を立て聞いていた。



「a組の、イケメンいるだろ。えっと...石井だ!あいつイケメンで、凄いモテててさ。でも、白石に告って振られたらしいよ!」

「えっ!マジで?!あんなにイケメンなのに...白石さんって誰の、告白なら受けるんだろうね?」

「本当だよな」



白石というのは、俺の中のあの子だ。俺は、少しの希望があるなら当たって砕けろの精神で、ダメだったら諦めるのだが...イケメンの石井で、ダメなんて希望を微塵も感じられなくて、告白出来ていない。


「おーい。村山〜」

「なんだ?ちょっと、今ラノベ読んでるから...」


村山は、俺の名前で、俺を呼んだのは、幼なじみの女子の佐々木だ。

佐々木は、何故か俺に話しかけてくる。なんで陰キャの俺に話しかけてくるのかは、本当に、不明だ。


「なんだよ〜ラノベって?」

「この今俺が、読んでる本の事だよ」

「そうなんだ〜」


凄く興味無さげに、答えた佐々木に少しいらっときながら話を進めた。


「何の用だ?」

「あっあの...あのさ、村山って好きな人とかいるの?」

「はっ?なんだよ⁇」

「ちょっと気になってさ...」

「まあ、そりゃあこの年になればいるだろ」


佐々木は、驚いた反面少し嬉しそうな顔で言った。


「誰?!もしかして...私⁈」

「んなわけねぇだろw....誰にも、言うなよ...白石かな...」

「そ..そうだよね〜私なわけねw白石さんが、好きなんだ。可愛いもんね...」


少し、悲しそうな顔をして言われた。なんか、悪い事したかな?w



7限のチャイムが鳴り下駄箱から靴を取り出しいつも通り、家に帰ろうとした...その時


「村山!」

「なんだ、佐々木か..」

「なんだってなによ!村山、白石さん静かで、落ち着いた人が好きなんだって!」

「で?w」

「だから、告ってみたらって事!村山は、当たって砕けろの気持ちが取り柄じゃないか!」

「そうかも、だけど... いきなりだから、まあ考えとくわ」


そんな、クールぶった、外見とは裏腹に、心臓は、バクバクで止まらない。

俺に、少しでもチャンスがあるなら告りたい!振られたって構わないから。高望みっていうのもわかってるから。


翌日俺は、白石を校舎裏に呼び出した。

「あのさ白石...」

「なに?」

「俺、お前に一目惚れしてさ...叶わないのは、分かってるんだけど、言いたくて。白石...俺と付き合ってくれないか?」


平然を装ったこの、中の下の顔の中には、言葉で表せないほどの、量の感情があった。失敗するって分かってる、告白でも、緊張は凄くする。正直、頭がパンクしそうだ


「よろしくね。村山君!」

「ありがと...やっぱり俺じゃダメだよね... ?」


俺の頭の中は、こんな感じだ。

?????????????!

えっ?


「今なんて言った⁇」

「よろしくねって言ったんだよ?私、声小さかったかな?」



今、現在起こっている事に頭が回らない。なんで、白石さんが、俺なんか?えっ?マジでなんで??


「なんで、俺なんか?」

「佐々木さんに、お話しを聞いて優しくて、話しやすいって聞いたから私、静かで落ち着いた人が好きだから。」

「そ..そうなんだ。よろしく..」

「うん!よろしくね村山君‼︎」



その後、家に帰ったら直ぐに、佐々木にメールをした。


(佐々木!告白成功したぞ‼︎)

(えっ?! 本当に?良かったじゃん!)

(佐々木のお陰だわ...ありがと)

(どう致しまして。じゃあ、お返しは、銀座でパフェね!)

(... そうだな!そんぐらい、どんとこい!ww)



俺は、ありえない現実を前に、浮かれていた... そう、ありえない現実.....

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