GOD’s DOCTOR's ~チームGD~

コヨヤミ

錦野夏希・桐原夏希看護主任!

第1話 始まりの執刀①

「桐原先生!」

「なんだ。錦野か。何だよ?」

「もぅ!ここは、小児外科ですよー!総合外科は、ここの上のフロアですよー!」

と、私、錦野夏希ニシキノナツキは、総合外科医の桐原蓮華キリハラレンゲ先生の右腕を掴み3Fの総合外科病棟へ向かった。

「ちょっ!!待てや!俺は、桜に用があんだよ!!」

と、蓮華先生は、言いながら、私の両手を振り払い2F降りて行った。

「もぅ!じゃ私もついて行く!!」

と、私は、言い、階段を降りて付きまとってみた。

「着いてこんでいい!!そろそろ警察に通報すっか!?」

「良いじゃん!!彼女なんだから!!」

「彼女じゃねぇよ。つか病院は静かにだろうが。」

「妬けるわぁー。熱々カップル。」

「「カップルじゃねぇ!」それほどでもー♪」

「なんか用事?」

「ほいっ。コレ。回覧板。渡したからな。」

と、蓮華先生は、言い、回覧板を渡した。

「んじゃ、用事済ましたんなら行くよ!」

と、私は、言い、蓮華先生の右腕を掴み3Fの総合外科病棟へ向かった。

「ほんとに妬けるわぁー。」

と、船原先生は、言いながら、私達を見送った。

-数分後-

「なんだよもう!!」

「はい。コレ。総合外科回覧板。後は、桐原先生のサインが欲しいです!」

「あぁ。テキトーに任せるわ。」

「ダメです!」

と、私は、言いながら突き返そうとしてくる蓮華先生に無理矢理渡すとやれやれと言いながら蓮華先生は、嫌な顔をしながら総合外科回覧板にサインをし、3枚目の白紙に何かを書き、私に返してきた。

「ありがとうございます。」

「んじゃ、俺は、3時間後に手術が入ってるから寝る。起こすな。」

と、蓮華先生は、言い、仮眠室に行った。

「起こすな。って、もぅ!さっきなんか書いてたよね?見てみよう。」

と、私は、言いながら、問題の箇所を見るとそこには、蓮華先生の字で『俺様といつ結婚する気か!お前は早く結婚したいんじゃないわけか?俺様は、お前の事が好きだ。今すぐ結婚しよう!以上!!』と、書かれていた。

「蓮ちゃんはぁ………。」

と、私は、ナースステーションに戻りため息をついた。

「蓮ちゃんって、誰の事かな?」

「師長!!」

「さっき、母親錦野さんが来てたわよ?」

「へっ!?」

「あっ。夏希〜。いたいた。」

「母さん!?どうしたの!?」

「はいっ。コレ。婚姻届。あなたのところ空欄よ。早く書きなさい。」

「ちょっと待って。なんで蓮ちゃ……桐原先生書いてんの!?」

「昨夜来てたのよ。婚姻届書いて。」

「速いなぁ〜。でも良いの?私が嫁いでも?」

「寂しいけどあなたが幸せなら嬉しいわ。て言うかあなた、同棲してるでしょ!蓮華君が可哀想よ!」

「そうかなぁ…。」

「早く書きなさい。」

「分かったから。 書くから。」

と、私は、言い、ナースステーションのカウンター台にて書き、実母に婚姻届を渡した。

「んじゃ、コレ区役所に持っていくわね。」

と、母さんは、そそくさと病院を後にした。

「ところで、蓮ちゃんって、誰の事かしら?」

「師長。まだそれ言ってるんですか!?」

「錦野さん。資料作成ありがとうございます。」

「秋果ちゃん。あぁ。良いよー!まだ慣れてないでしよ?ちょこちょこ覚えていけばいいわけで。」

「それ………貴方が言うかね。」

「秋瀬さん!?どういうことですか?」

「それはね。ほにょほにょ………。」

と、私と同期の玲愛秋瀬さんは、新人看護師の秋果ちゃんに私の新人看護師時代恥ずかしい過去を耳打ちした。

「もう!玲愛〜。」

「だってそうでしょ?」

「あれ?桐原先生?どうかしましたか?」

と、秋果ちゃんは、アクビ+伸びをしている蓮華先生に挨拶をすると怪訝そうな顔で私を見た。

「俺の携帯に電話してんじゃねぇよ!!起こすな。ってんだろ!」

「へっ!?」

と、私は、言い、ナースステーションの私の机の上に置いてある携帯を見てみると通話中になっていた。

「いい加減にしろよな!」

「ありゃりゃ。怒られた。」

「つか、早く電話切れや。寝れんが!2時間手術なんだからさ!」

と、蓮華先生は、言い、電話を切り、仮眠室へ戻った。

「自分で切ってるし。」

「桐原さん……錦野さん。貴方、今日、手術外回りよね?早く行きなさい。」

「はい!」

と、私は、師長に促され、蓮華先生が執刀する上之木さんの病室へ向かった。

-数時間後-

「ふにゃぁ~♪手術終了~♪昼ごはん♪昼ごはん♪」

と、蓮華先生は、伸びをしたあと、鼻歌を歌いながら手術室から出てきた。

「夫は………上乃木は、どうなんですか!?」

「奥様でございますか?大丈夫です。手術は無事に終了してます。後20秒後ぐらいに旦那さんが来ますよ。」

と、蓮華先生は、お辞儀をした後、上乃木さんの奥様に言い、手術室付近を後にした。

はたまたその数分後。私は、上乃木さんを病室まで送った後手術室の片付けを始めた。

「千尋ちゃん。そこは、終わった?こっちの作業薬品と物品の確認は、終わってるわよ。」

「あっ。はい!!!終わりました!!!でもウチの病院変わってますよね?」

「どこが?」

「錦野さんは、病棟看護師兼手術看護師じゃないですかー。」

「それ?私は、元々手術室看護師オペ看だったんだよ?それなのに蓮華先生………桐原先生が病棟看護師までさせてんの。」

「へっ!?」

「それで。使用済み器械は、滅菌作業機に入れた?」

「はい。」

「じゃ、後10分だね。自動で袋に入れてくれるからその手袋で片付けてね。私は、もうそろそろ病棟に戻らないと怒られるから戻るね?」

「あっ。はい!!!」

と、千尋ちゃんは、言い、私を見送った。

-数分後-

「錦野さん。名札来てますよ。」

「へっ!?私、頼んでないけど?」

「桐原先生が頼んでたのよ。」

「へっ!?じゃ、貰っときますね。」

「胸の名札返却しなさい。」

「あっ。はい。」

と、私は、言い、ピンクの制服病棟看護師制服の胸の名札を交換し、錦野旧姓の名札を師長に渡した。

「OKね。昼ごはん行きなさい。桐原さんだけよ。」

「はぁーい。あれ?桐原先生?どうかしたのですか?」

「行こうぜ。夏希。食堂の定食美味しいから早くー!」

と、蓮華先生は、言い、ナースステーションの前に立っていた私の右手を握り1Fにある食堂へ向かった。

食堂に到着するとそこには、看護実習中の蓮華先生の妹の千暁ちゃんがいた。

「お兄ちゃ………桐原先生。」

「千暁。何でここにいんの?東都精霊看護大学学校は?」

「実習です。」

「学校って?」

東都精霊看護大学精看です。」

「私の後輩じゃん!!」

「そうなの?」

「うん。私、精看卒業だよ?」

「そうなんですか。あっ。でも、先生が言ってました。」

「何って?」

「国試を首席で突破した人がいるって………。」

「千暁ちゃん。それはね………私だはず。」

「へっ!?」

「さっ。昼ごはん食べようか。」

と、私は、言い、昼ごはんを食べ始めた。

食事中の話題は、三日間の実習で回る科目で初日の今日は、小児外科。2日目の明日は、私達の総合外科。三日目の最終日は、総合内科を選んだらしい。うちの病院の臨床実習は、初日の午前中に終え、残りの二日間は、自由にしていいということではあるが必ず病院には、出勤する義務がある。

「さてご飯も食べ終えたから戻るかな。ん?親父!?どうしたよ?」

「蓮華。乃木坂のおじちゃん覚えてるだろ?」

「あぁ。乃木坂精肉店のね?うん。どうしたよ?」

「急な頭痛や、血圧の乱高下、目眩で、桐原内科医院ウチに来たんだけど、紹介状書いていいか?」

「くも膜下出血の症状だね。良いよ?今日の16時頃に来るようにしてね。俺、13時〜14時緊急カンファレンスで対応できないから。緊急手術すっから。」

「おっ。分かった。でもお前から緊急カンファレンスって言葉を聞くとはなぁー。緊急カンファレンスかぁー。」

「小児外科と総合外科の合同緊急カンファレンス。」

「あれ?父さん?何でここにいんの?」

柊馬とうま。蓮華に逢いに来た。」

「兄さんって………。」

「俺?診療科目は、心療内科だよ?患者も少ないから担当医師は、俺と水雲ミクモ先生の2人だけ。まっ。今日の診療は、終了してるからもう、昼ごはん食べたら帰るんだけどね。」

「姉様は?」

亜希姉姉貴は、桐原内科医院の医師だよ?」

「そうなの!?」

「あぁ。うん。」

「華蓮兄ぃは、明日、研修でここに来るらしいです。」

「華蓮って、何科医目指してんの?」

「外科医って言ってたですけど………。」

「ここの外科、沢山あるけど詳しく。」

「えっと~………。」

「消化器?胸部心臓?循環器?脳神経?」

「確か…まだ決めてないはずです。」

「へっ!?もうあいつ卒業目前だろ!?脳神経外科なら俺面倒見れるけど…?」

「面倒見れるって兄さん…研修医じゃなかったでしたっけ?」

「俺、アメリカで研修医だったから今はもう、研修医じゃねぇんだよ。」

「へっ!?」

「まっ、この病院、研修医を受け入れる年もあれば受け入れない年があるんだよ。俺がここに来た時、受け入れない年だったんだよ。」

「へっ!?」

「つか、医大卒業と同時にアメリカの脳神経外科で有名な総合病院にスカウトされ、そこに入職し、2カ月で脳神経外科の殆どの手術を覚えて…、そしたら脳神経外科の超有名な学術雑誌に取り上げられて…。それから、ほとんどの脳神経外科手術をしたのは俺。」

「えっ!?」

「うん。そしたら59回目か60回目の手術後のオフの日にロサンゼルスで遊んでたら急遽、路上で倒れた人がいて、その人を路上で緊急手術してたら鳥嶋理事長にスカウトされたんだよね……。」

「じゃぁ…。その路上で倒れた人は大丈夫だったの?」

「うん。もちのろん。誰も殺すかよ!」

「症状は何だったの?」

「原発性悪性リンパ腫だった。もう、今では生活できる程に回復してるよ。」

「へっ!?」

「ちょくちょくあの病院にお手紙出してるよ?俺。謹賀新年のお手紙。とか丁度現地の時間が新年になる瞬間に届くようにね。」

「おっ!?夏希ちゃんか!?ここに綺麗な看護師がいると思ったら夏希ちゃんじゃないか。」

「はい。挨拶遅れてすみません。」

「親父…。夏希…俺の妻をヨロシクね。」

「あっ。そうか昨日、この件で桐原内科医院ウチに帰って来たんだったな。」

「う…うん。」

「よろしくお願いします。義父さん。」

「なっちゃん!!」

「おーい。息子置いて別次元行くな。そういえば、さっき夏希のお母さん来てたんだけど…?」

桐原内科医院ウチにも来てくれたぞ。娘を頼みますだって。」

「母さんはぁ…。」

「そう言えば、兄さんさ?華蓮がどの外科医なりたいかって知ってる?」

「脳神経外科って言ってたけど?」

「マジで!?」

「嬉しいの?嬉し泣きしてるんだけど?」

と、私は、冷やかしてみると蓮華先生は、自分の食器を片付けに行った。

「あれは、嬉し泣きしてるな。」

「私も食器片付けに行ってきます。」

と、私は、言い、食器を片付けに行った。

そのあと数分間雑談をした後、私達は、カンファレンス室に入った。

-カンファレンス中-

「明日午前中に小児外科で手術予定の伊瀬ヶ谷大志イセガヤタイシ君。10歳。大志君は、膵炎で入院していますが彼の脳に10歳にあるまじき悪性腫瘍が有り、急遽総合外科をお呼びした次第です。」

と、小児外科部長の高槻島先生は、言いながら、MRI画像をスライドで見せてくれた。

するとカンファレンス室にいた全員が驚愕した。

「デカっ!!」

「桐原先生お願いします!!」

「畏まりました!すぐに取りかかっても?」

「宜しいですが、麻酔科の高坂燕先生にも話つけてくださいね?」

「小児外科担当医師って?」

「船原先生です。」

「桜か。桜行こう。」

「良いのですか?」

と、塩野目先生は、カンファレンス室を出ようとする蓮華先生達を尻目に小児外科部長の高槻島先生に言うと高槻島先生は、塩野目先生の一言を一蹴した。

「1年間を100件の脳神経手術しながら36本も論文を発表できるか?とんだ鬼才ぶりを発揮するものだ。我が弟子は。」

「では。師匠。失礼します!行くぞ。夏希。千暁。」

「失礼します!」

と、私は、言い、お辞儀をした後カンファレンス室を出た蓮華先生達の後について行った。

-道中-

「高槻島先生って、兄さんの師匠なの?」

「うん。外科医目指そうとしたの高槻島先生がたまたま医大の医師だった時なんだ。そんな時に本当は、小児外科医を目指してたんだけどね。」

「じゃ、脳神経外科医になったのはなんで?」

「高槻島先生にお前は、脳神経外科医になれって言われてさ?それで、高槻島先生がアメリカの脳神経外科で有名な総合病院に連絡してくれてさ?で現在に至るわけ。」

「へぇ。」

「でもさ、小児外科医が良かったって思わなかったの?」

「それは、今でも思ってる。でも脳神経外科医で有名っちゃぁ有名になってるし。最近、親父から俺の写真や取材を受けたアメリカの雑誌とかを翻訳して家に送ってくれてるからまっいいかなって思ってるよ。」

「だからかぁ。」

「何が?」

「くも膜下出血と診断された皆さん安心してください。後遺症もなく生活を送れますってチラシプレゼントしてるよね?」

「ああ。アメリカで、くも膜下出血の手術した時の全ての患者は、後遺症も無く生活を送れてるからね。」

「すごいじゃん!」

「そうか?」

と、蓮華先生が言うと伊瀬ヶ谷大志君の病室に着いた。

「伊瀬ヶ谷大志君のお母様でございますか?」

「はい。そうですが。」

「脳神経外科の桐原蓮華です。お父様もいらっしゃいますね。大志君なのですが脳に腫瘍があるのはご存知でございますよね?」

「はい。」

「詳しい話は別の場所でしましょうか。では。こちらへ。」

と、蓮華先生は、言い、伊瀬ヶ谷大志君の両親を連れ、小会議室へ行った。

-数分後-

「明日の午前中に膵炎の手術なされると聞いたのですが?」

「はい。」

「脳腫瘍の抽出手術を同時に進行させていただきます。」

「えっ!?」

「抗がん剤治療をしていらっしゃいますよね?」

「はい。」

「今の所、どんなサイズに縮小しているか、分かりませんが、完璧に残っている腫瘍を取り除く手術を致します。」

「お願いします!」

「お任せください。全身麻酔全麻ですぐ取り掛かりますので。リハビリも無いようにいたしますので心配なさらないでくださいね。」

「はい。」

「後、明日9時半にMRI写真を撮影していただけませんか?どれほど寛解縮小しているかの確認をしたいので。あと、手術後は、数日で退院できますので。その間の担当医は、そのままこの船原なので。」

「分かりました。あっ、あのぉ〜………。」

「どうかなさいましたか?お父様。」

「えっと〜………。このまま大志は亡くなるのですか?」

「大丈夫ですよ。死んで欲しくないので。お二人の大切な大切な子供ですから。膵炎の手術と脳腫瘍の手術を完璧に致します。」

「お願いします。」

「こちらこそよろしくお願いします。では、また明日。」

と、蓮華先生は、言い、小会議室を後にした。

-数分後-

「外科外来に紹介状持って、くも膜下出血の患者が来るよ。高坂先生を俺の診察部屋4番診察室に今すぐ入ってもらって。緊急手術するから。」

「へっ!?あっ。高坂先生!!こちらへ。」

「はい?」

「燕先生。緊急手術したいけどあのパンフレット持ってる?」

「蓮華先生。あれなら、いつも何十部か予備に持ってるけど?」

「クモの緊急手術なんだけど大丈夫?明日もやっけど?」

「別に。構わないけど………明日も!?」

「明日は、緊急手術クモじゃなくて予約されていた手術膵炎同時進行脳腫瘍切除手術だけどね。」

「そう。つか、またクモ?OK。分かった。」

「俺の診察部屋4番診察室に来てくれるかな?」

「一緒に入るよじゃぁ。」

と、高坂先生は、言い、蓮華先生と一緒に4番診察室に入った。

「私は、ここで待ってますね。」

と、私は、言い、蓮華先生達を見送って外来受付カウンターに入りデスクトップパソコンを起動させ、今日の外来患者の一覧を見た。

その数分後、乃木坂さんが来て、問診票に回答してもらっている内にちょこちょこ脳神経外科のお勉強した。

「お姉さん?どうぞ。」

と、乃木坂さんの言葉を聞き、問診票を受け取り、デスクトップパソコンに情報登録し、蓮華先生先生の元へ向かった。

「ありがとう。代わりの人いるんだよね?」

「うん。内科の看護師の田中さんが居ますよー。」

「了解です。んじゃ、呼ぶかな。」

と、蓮華先生は、私から問診票を受け取り、乃木坂さんを呼び出した。

それと同時に乃木坂さんは、入室した。

「こんにちは。乃木坂さん。紹介状受け取っていいですか?」

と、蓮華先生は、言いながら、乃木坂さんを見た。

「どうぞ。」

「ありがとうございます。」

と、蓮華先生は、言い、乃木坂さんから紹介状を受け取り、MRI写真の撮影の予約をし、乃木坂さんをMRI室へ誘導した。

その数分後事件が起こった。4番診察室とMRI室の間の通路で乃木坂さんが倒れたらしいのだ。それを発見したらしい内科の看護師の霜田さんが私を含めた、蓮華先生達を呼び、緊急手術をした。

-数時間後-

「乃木坂さん。目、覚めました?緊急手術しました。」

「ごめんなさい。桐原先生。」

「いえいえ。ご無事で何よりです。3週間ぐらいICUに入ってもらって何も異常が起きない限り退院できますので。」

「ありがとうございます。桐原先生。でも、あの小さかった蓮華君に助けてもらうなんて、思ってもみなかった。」

「いえいえ。でも、桐原内科医院初診て頂いてありがとうございます。そうしてくれなかったらもうこの世に…。」

「さっき、隣にいたのは錦野さん家の夏希ちゃんじゃないかね?いつも一緒にいるよな。」

「幼・小・中は、一緒ですけど、高・大は別々です。」

「そうだったかの。」

「はい。でも、ちょくちょく会ってはいたんですけどね。」

「そうなんだったんか?今日は、本当にありがとうございます。」

と、乃木坂さんから感謝を告げられた蓮華先生は、ウキウキしながら、私のいるナースステーションまでスキップしながらきた。

「どうかしましたか?桐原先生?」

「夏希。感謝されるのって嬉しいな。」

「ですよ?でも気色悪いです。平然といたして下さい。」

「ひどいよ。それー。気色悪いですって何さー。俺じゃなかったら泣いてるよ?」

と、蓮華先生は、ショックを受け、医局に戻った。

-数時間後-

「お疲れー。」

「お疲れ様です。蓮華先生は、今日当直じゃないですか?」

「島津先生が当直。つか、お前は、夜勤に申し送りした?してんなら帰んぞ?千暁は、もう、帰ってるからあとは、俺達だけだし。」

と、蓮華先生は、ナースステーションのカウンターで1人残って作業していた私に言い、車の鍵を右手の人差し指でヒュルリと回した。

「つか、着替えるの早すぎないですかね?」

「だって俺ん業務、終わってんだから着替えんだろ?普通。」

「そりゃそうなんですけど。今日の私の業務を振り返る日誌を書いてからで良いですか?」

「良いけど?別に。つかそんなのあるの?」

「はい。そうですが?」

「俺は、のんびりコーラ飲んで駐車場で待っとくよ。」

と、蓮華先生は、言い、自販機で買ったであろうコーラを飲み始めた。

「もうすぐ終わりますよ?」

と、私は、言い、残りの一行を書き、師長の机に置いてタイムカードを押し、更衣室に着替えに向かった。

「おぅ♪待ってるつか、飲み干した。」

と、蓮華先生は、言いながら私を見送った。

-数分後-

「お待たせ。」

と、私は、言った。

「私服姿も可愛いな♡」

「もう!蓮ちゃん?煽てても何も出ないよ?」

「煽ててないって。本音だよ。」

「信じられないなぁ〜♪あの蓮ちゃんだもん。」

と、私は、開いたドアに従い車に乗った。

「キスしたら信じる?」

「なんで?」

「昔、キスしたら信じてくれたじゃん?」

「昔じゃん!!!」

「愛してるよ♡なっち♡」

と、蓮華先生は、言い、私にキスをし、車を運転した。

「…………………。本音じゃないね。本音だったらなっちって言わないのに。」

と、私は、冷やかしてみると蓮華先生は、冷や汗をかいていた。

「夏希〜♡愛してるのは本音だよ!!」

「もぅ!知ってるよ。あれ?電話鳴ってるよ?」

「取ってや。」

「分かったよー。」

と、私は、言い、蓮華先生の携帯取ると、お義父さんだった。

「もしもし〜♪なっちゃん。蓮華は、運転中かな?」

「はい。そうですが?」

「今日、晩御飯、一緒にどうかね?」

「ご飯どうする?蓮ちゃん?」

「食べに行く?今日、ご飯炊いてないっしょ。」

「うん。忘れてた。」

「行こう。今向かってるっつってて。」

「今から向かいますね。」

と、私は、言った。

すると電話が切れた。

「蓮ちゃん?」

「どうしたよ?なっち♡」

「本音で話そうとしないの?」

「良いじゃん!!なっちって呼んでもー!」

「良くない。つか、向かってるよね?」

「もうすぐ着くよ?ほら。」

と、蓮華先生は、言い、実家の桐原内科医院の駐車場に車を停めた。

「懐かしいー!」

と、私は、車を降り、扉を開こうとすると、蓮華先生は、私の左手を握り裏口へ回った。

「今日の診療は、終了。だから後ろの俺ん家の玄関から入るの。」

「そっかー。そうだね。」

「おぅ♪ただいまー!」

と、蓮華先生は、言いながら扉を開けると、お義母さんが玄関まで迎えに来てくれた。

「母さん。急にどうしたの?」

「何が?」

「晩御飯、一緒に食べたいなんて今まで無かったのに。」

「お父さんがね。なっちゃんと食べたいなんて言うもんで。呼んだのよ。」

「親父かよ!!」

「そうよ。」

と、お義母さんは、言い、リビングの扉を開くとテーブルに高級寿司20貫盛りが置かれてたり、私の好きな清涼飲料水ジュースが置かれていた。

「夏希姉ちゃーん。」

「琴音!?何でここにいるの?」

「ママが連れてきたー!」

「部活はどうしたの?お母さん来てるの!?」

「部活は、今日無いよ?つか、ママなら今、日用雑貨トイレットペーパー買いに行ってるよ?」

「やぁ。夏希。」

「お父さん!?」

「最近どう?」

「何がですか?」

「何がですか?って私生活だったり仕事だったり。」

「至って何もないですよ?特には。唯一あるとしたら、手術室看護師オペ看だったのにこの誰かさんのせいで業務が増えたことですかね?」

と、私は、蓮華先生を怪訝そうな目で見ると当の本人は、冷や汗をかいていた。

「蓮華〜♪そんなことしてたんだ?」

「夏希。ココア飲む?」

「話をすり替えようとしないの!蓮華。」

「むぅ〜………。」

と、蓮華先生は、観念したのか一緒にいたかったという理由を告げ、ココアを淹れに行った。

「スマンな。なっちゃん。蓮華が。」

「いえいえ。病棟看護師も面白いですし。仕事は、キツイですけど。」

「はい。夏希。ココア。」

と、蓮華先生は、ココアを淹れたマグカップを私に渡し、ソファに座った。

「蓮華?車、また病院前の駐車場に停めたでしょ?動かしなさい!」

「ゲッ!?バレてたの!?移動させる!!」

と、蓮華先生は、言い、飲みかけのココアをテーブルに置き、車を移動させに行った。

「あっ。華蓮君。お久しぶり。」

「お久しぶりです。」

「外科医って手術するけど血大丈夫?」

「はい!!!」

「じゃ、蓮華の後輩になるんだね。」

「あっ。はい。あっ。蓮華兄さん。俺、脳神経外科医になりたい!」

「華蓮。本当に脳神経外科医になりたいのか?」

「はい。」

「後遺症も残さない程神経いるぞ?良いのか?そんな努力・神経性・正確性持ってるか?」

「持ってま………す。」

「まっ。俺もそう言われたら無いけどな。なんもお前に脳神経外科医になるなとは、言ってないから。」

と、蓮華先生は、華蓮君に言い、車の鍵を入れたカバンをソファに置き、飲みかけのココアを飲み干した。

「蓮華!」

「姉さん!」

「もぅ!ソファでココアを飲まないでよね?」

「ごめんなさい。姉さん!」

「シミになってないかな?零してないでしょうね?」

と、亜希奈さんは、言った後、怪訝そうな目で蓮華先生を見た。

「零してないです!!」

「なら良し!」

「何で、今日何回も怪訝そうに見られんの俺は!!」

「「蓮華だから」脳神経外科医の蓮ちゃんだから。」

「ひどい。つか、夏希。脳神経外科医関係ないよね!」

「ふぅ。あら。夏希。もう着いてたのね。」

「うん。でも、母さん。速いね。」

「そう?」

「車だったね。」

「どうも。義母さん。」

「蓮華君。お久しぶりね。相変わらず夏希と仲良くしてくれてありがとうね。」

「いえいえ。こちらこそ仲良くしてもらっていただいてありがとうございます。」

「そう言えば、春都なんだけど、もうそろそろ来るらしいわ。」

「兄さんも来るの?」

「えぇ。」

「春都まだかな。」

と、柊馬先生は、言い、携帯を触りながらもそわそわしていた。

春都兄さんは、蓮華先生と柊馬先生の間の年齢で、蓮華先生が26歳、柊馬先生が28歳なので春都兄さんは、27歳です。実は、パ・リーグで優勝を誇る東都スパイダーズで守護神です。

「なんで兄さん、ソワソワしてんの?」

「春都とは、野球部でエース対決してたぐらいなんだよ。一つ年下なんだけど、野球以外では仲良しなんだよね。」

「柊馬さん。」

「春都ー!お疲れー。」

「柊馬さん。ありがとうございます。」

「そう言えば、春都。モデルの前田春果マエハルと、結婚間近ってニュースで言ってたからどうなんだ?」

「それ知ってましたかぁ〜………。本当ですよ。」

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