19 本家からの贈り物

本家から馬を贈られたようなときには、自分で庭に降りて、自らくつわに手をかけて受け取り、それから従者に渡すようにしなさい。

使者を庭まで引き立たせて、従者に「それを取ってつなげ」などと命令してはならない。まして、屋敷の中にいたまま、御簾みすごしに返事をしてはならない。そんなことをする人を「烏滸おこの者(愚か者)」と言うのだ。

ただし、本家と言っても、血筋や年齢によって礼儀の違いはある。まだ年も若く、時の権勢も無く、ご恩を蒙ったこともない者の場合、あまりに折り目正しく敬うと、見る人がどうしたことかといぶかしく思うだろう。かえってやり過ぎになる場合もあるので、そんなときには立派な若党として世間に知られた者に取らせればよい。

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