執筆の意図

人への対応の仕方について、常々考えていることを申しつけようと思うが、人の心はさまざまなので、私のやり方をおこがましく思う人もいようし、笑われるようなこともあるかもしれない。「人の子は劣る親に優ることはない」とことわざにもある。ともかくも、ふだん考えていることの大概を書いておくから、これに違うことなく振る舞いなさい。この言いつけを守って何か悪いことがあったならば、世間一般の人は、それは子の咎ではなく、子に教訓しない悪い親のせいだと思うだろう。口伝えにすれば思い違いしたり、忘れたり、要領を得ぬこともあるかもしれないので、ただ思うことを書いて遺しておく。決して赤の他人に見せてはならない。分け隔て無く親しい人には読ませて、つれづれのなぐさめに仔細に意見を聞いてみなさい。

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