サンタクロースの証明

北斗七階

ある放課後

「あなたのことは好きじゃない」


 放課後の教室で、彼女は言った。


「だから私と付き合って」


 その瞳はまっすぐとこちらを見つめている。

 言葉はちぐはぐでも、意図は伝わると信用している目だ。


 これは愛の告白ではない。


 契約の提案だ。


 きっと彼女の相手は俺でなくとも良かった。

 また俺の相手が彼女である必要はない。


 少なくともこの前まではそうだった。


 根拠はどこにもなく、俺たちの目的が果たされる望みは依然として薄い。


 それでもわずかばかりの確信に後押しされて、俺はうなずいた。


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