__ねと言いながら僕らは君を抱きしめる
二宮 可糸
第0話 - end -
あの日から3年が経って、僕らはやっと完成させた。
何を目的に、いつこんなことを始めたのか。鮮明に思い出せる、あの日。
研究準備は入念に。その一言でここまで執着してやってこれたというわけではない。彼女のおかげでもある。ありがとう。そう思いながら僕は持っていたペンでノートに「end」の文字を書いた。シャーペンの芯の先が潰れていたが他のページに書き記されたものよりもずっと自分なりに丁寧に書いたつもりだった。隣に座っている彼女はendの文字を見て言った。
『始めよう?』
endと共に今、始まる。
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