外つ歌:星見司の戦い(1)
古来、満天の空にある星々を見て、暦を作り上げ、起るであろう未来の出来事を予想することを星見と言いました。これをやるところが星見司処、星見を行う者を星見司と言いました。
この奇妙な職業は、今でも少しだけ生き残っています。世界の僅かな情報をもとに、大軍の出動に匹敵する仕事をする仕事です。
古歌集を読んでミサが、流星を助けに動いたのがいけなかったのかと、ぐんにゃりへにょんとなっていた頃、星見たちは同じ古歌集を読んで大激論を繰り広げていました。
星見司は時折未来予測だけでなく、起きた現象の分析も行うのが常でした。この行為が時々人の心を傷つけることもありましたが、それでも星見司たちは自らの仕事をやめることはありませんでした。
星見司の中でも活発に動いていたのは、akiharu、そしてスタッフで参加してたせいで自分はタンコグラード遊び損ねた緋璃でした。
彼らは膨大な資料と知識を動員して、他の大勢の星見たちの意見をまとめて集約して、夜が明ける前にレポートを作り上げて来ました。
”件1:ミサの懸念である流星を助けた件は罪に当たらず。本件とはおそらく関係ない。”
この一文を書くために徹夜して働いて来たというわけです。星見司の意地と本懐というところでしょう。
星見司は言いました。
1.古歌集は名の通り、無名世界観の古い時代の物語である。登場人物が一様に若いことでこれが分かる。
2.古歌集は歌=絶技を基幹技術とするオーマを描く物語である。ただし、絶技描写は全て伏せられている。
3.1,2より高い確率で古歌集は先代のシオネ・アラダ誕生までを描いている可能性が高い。
4.現在の問題は二つ、4a.過去の話に今を生きる我々が介入してしまっている。これは時間犯罪に抵触する可能性が高い。4b.名を秘すものが未来から過去を書き換えており、それが靜日を汚染している。
星見司たちはここまでの確認を取ると、どうすればいいのかと星々を見上げました。どちらも実例のある話ではありませんでした。
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