方舟の夢

夜表 計

プロローグ

 かつて、その惑星には戦争があった。

 人類と黒い異形の生物“ノート”との戦いがあった。

 戦争とは強い者も弱い者も平等に命を散らすが、そこでは違った。

 “ノート”の生態は余りにも未知で、人類は少しずつ追い詰められていった。

 追い詰められた人類は“ノート”に対抗する兵器を作り出した。

 それが、合成人間“キメイル”。

 どのような環境にも対応し、常人を遥かに越える身体能力を持つ“キメイル”の登場によって、人類は“ノート”を殲滅する事に成功した。

 けれど、人類は恐れた。自分達ではどうする事もできなかった“ノート”を屠る存在を作り出してしまった事に。

 そして、人類は決断した。“キメイル”達を殺そうと。

 だが、その計画は失敗し、“キメイル”の憎悪を生み出してしまった。

 そして戦争が起きた。人類と“キメイル”との種を賭けた戦いが。

 今だ戦争は続いている。誰もが理由を忘れ、憎しみだけの戦いが続く。

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