童話『ドーベルマンのよだれ』  作 やなせぽてし

 ドーベルマンは今日も、よだれを垂らしていた。お肉にくにく憎い奴。

 あまりにもヨダレを垂らすもんだから、村の人々はそのドーベルマンを山のてっぺんに連れて行くことにした。


 山のてっぺんに行っても、ドーベルマンはヨダレを垂らし続けた。そして、そのよだれは次第に川となり、麓の村を流してしまった。

 さらにヨダレは止まらず、そのヨダレの川は海にまで辿り着きました。


 そして、海に流れ着いた、ヨダレは上昇気流に乗って雲になりました。そして、その雲はドーベルマンのいる山のてっぺんに戻って来ました。


 ヨダレを垂らしているドーベルマンに雨が降る。ヨダレを垂らしているドーベルマンはどんどん雨に濡れました。


 そして、雨が止んで、鼻が人間の二十倍くらいあるドーベルマンは、濡れた自分の臭さで気を失ってしまいました。


 そして、そのまま自分の垂らしたヨダレの川に流されてしまいましたとさ。



                               おしまい。



 作者のあとがき。


 ドーベルマンを徳光の涙に置き換えても、同じような結果になる傑作だ。照英の汗にするとギャッツビーが邪魔をするので、要注意。

 かつて、どこでもドアで己の肛門を浣腸しようとした男が、そのまま自分の肛門の中に吸い込まれていき、妻と息子とローンが残った一軒家を残して消えてしまったという事件があった。


 現場には発電所のマークみたいな、その男の肛門だけが残っていたという。ヒラヒラとフォレスト・ガンプの最初のシーンみたいに肛門が地面に落ちて来たとか。


 大きすぎる力は、己の身を滅ぼすのである。


 しかし、レイカーズの調子が上がらない。もしかしたら今年のNBAのプレーオフはレブロンがいないなんて事になるかもしれない。

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