夢の中に降りた一つの星

@takuya1997

プロローグ 展望台

僕は最近とても怖い夢を見た。

その夢では僕の家族そして大切な友人たちが

化け物に襲われそして殺されてしまう夢だ。

とても怖くて逃げたくて逃げたくてどうしようもなくて、足掻いても足掻いても怖い夢だった。


朝起きると涙を流しながら目覚めていた。


お兄ちゃん。なんで泣いてるの?


ううん。なんでもないよ。

心配かけてごめんね。彩音。


そうやって妹が聞いてきて僕はその夢の事をはっきり覚えていなかった。いや、覚えていたくなかったのだ。だから妹に嘘をついた。


だが妹は優しく微笑んでそっか。と言うだけで下に降りていった。


最近僕は似たような夢を見る。

でも出てくるのはいつも同じ化け物だった。


夢だから大丈夫。でも夢でも同じだ化け物が出てきて僕は寝たくなくなっていた。


一度お父さんにも相談したことがあった。

お父さんは気にするなとは言っていたが相談しね1週間ほど経っていたからもう怖くて怖くて仕方ない。


そう悩んでいた時にお母さんが部屋に入ってきた。


翔太?起きた?一応彩音が起こしに来てたみたいだけどまた寝てない??

ご飯できたからいらっしゃい。


あ、うん。 大丈夫だよ。

今行くから先に行ってて


うん。分かった。

早く来なさい。ご飯冷めちゃうわよ。


はーい。


ごめん母さん待った??


ううん別に待ってなかったけどご飯冷めちゃよ。

あとそれと、友達との約束9時からでしょ?

いいの?もう8時半過ぎてるけど。


え? うわやばっ!


時刻を見ると8時40分だった。


康太のやつ遅れるとすっげぇうるさいんだよなぁ。急がなきゃ。


そう言って朝用意されていた玉子焼きとご飯、野菜、味噌汁を一気に口に放り込むと

翔太は風のように行ってきますといい家を飛び出した。


康太との待ち合わせは家から10分程度の距離だが先日起きた地震で橋が陥没し今は通れなくなっている。

その為待ち合わせの場所は家から40分ほどは慣れた場所にあった。


待ち合わせの場所に着くと、メガネを掛けてちょっと細身のいかにもガリ勉ですよ感満載の井上康太がそこに立っていた。


お、おはよう…康太…ま、待った?


息を切らしていた翔太に厳しい顔をしていた。


遅いじゃん。10分も遅刻しやがって。

全くお前が暇だから星を見たいって言ってきたから俺がついきてきたんだろ。

そのお前が遅刻ってどうゆうことだよ。


うぅ。申し訳ない。


はぁ。まっ今にして始まったことじゃないからいいんだけどな。


お、おう!


いや、笑えないからな?

とにっこり笑顔で言われたがその表情は最早鬼の顔だったり…。

と内心思いつつも昔からの中のよしみでその程度で終わってるんだろう。


とりあえず展望台。行くんだろ?


あぁ行く。


じゃああそこで決まりだな!


うん。


そう言って僕と康太は展望台に向かった。


展望台に行く途中康太に1つだけ聞かれたことがあった。


なぁなんで翔太は展望台よく行くんだ?

つかなんで俺が誘われたんだ?


なんでって言われても普通に星が好きだからそれに星を見てると色んな事が見えるんだ。

それに父さんも星が好きで俺が子供の頃からよく行ってたし、それが習慣になったんじゃないかな?

んで、たまには誰かと行きたいと思っててたまたま康太が暇そうだったから誘ったって訳。


っと翔太は軽く毒舌を吐くように康太の事をからかった。


って結局俺が暇人だったからって意味で誘ったのかよ笑

まぁ俺も星座とかを展望台で見たかったからいいけど。


そうお互いに色んな事を話せる事幸せだと翔太は思っていた。


そんな話をしているうちに翔太と康太は展望台に着いた。

展望台に着くと係りのおじさんがそこに座っていて翔太を見るとこっちによってきて話をかけてきた。


おぉ。翔太今日も来たのか。


うん。おはよう坂本さん。


ん?今日は友達も一緒かい?


そう言われてぺこりと康太は頭を下げた。


はい。翔太くんの友達の井上康太と言います

今日始めて展望台に来ました。

よろしくお願いします。


よろしく。俺はここの管理人の坂本だ。

ったく君も大変だね、こいつに付き合わされるなんて。

まぁ仲が良いんだろうけど、あんまりうるさくはしないでくれな。でないと翔太が怒るからな


そう笑いいながらおじさんは2人に手を振って元の自分のいた椅子のところに戻っていった。


じゃあ康太そろそろ行こっか。


うん。と頷くと2人は出口を後にして、中に入って行った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る