"H"排除(二体目、前半)

「……ええ。では、そのようにお願い致します」

 ヴァイスはハナノの自家用車の中でコンテナを移送する依頼を終えると、隣に座っている龍野に話しかけた。

「終わったわ。次は6番エリアに向かうわね、龍野君」

「わかったぜ、ヴァイス。ところで、サポートはどうすんだ?」

「この車の中でするわ」

「あいよ。無事を祈るぜ」

「私もね」

 二人は談笑を終え、しばしの間、黙想を行った。


「到着いたしました」

 ハナノが二人に、“行動開始”を知らせる。

「あいよ。それじゃあヴァイス、頼むぜ」

「ええ」

 龍野は鎧騎士に変身し、魔力を噴射させて移動した。

『では、サポートを始めるわね。反応は計5体。1体は例の機体(H型)、4体はゴリラ型(I型)よ。ただ……』

『ただ?』

 含みのあるヴァイスの言葉。龍野は先を言うように促す。

『ゴリラ型4体は、どうやら同時に倒さなくてはならないみたいね。それに、順序もあるわ。ゴリラ型4体が先、例の機体が後、という倒し方じゃないと……ゴリラ型機体による大爆発が(生存機体数と同数が)発生して、私達……少なくとも、ハナノ様が死ぬわ』

『つまり、“魔力解放”は使えねえ、ってことか』

『ご名答。引き付けてから一網打尽にして』

『あいよ……っと、一体目を発見したぜ。軽い攻撃で引き付ける』

『頼むわね』

 龍野は「難易度の高い仕事だ」と内心で思いつつも、両手に大剣を召喚。そして拡声機能をオンにして、大音声で呼ばわった。

「おいゴリラ野郎! こっちに来やがれ!」

 同時にビームを、装甲表面を浅く削るように発射。

 二重の挑発に、ゴリラが反応した。

(よし、一体引き付けた……!)

 龍野はわざとゴリラより多少遅い速度を出し、挑発した。



現在の龍野の撃破スコア……28体(28,000点)

※機能停止に追い込んでいないため、変動無し

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