第6話決死の逃避行
「最悪だ。僕のために一肌脱いでくれたばかりにクマさんは殺され
ちゃった。このままでは僕もいずれハチの巣にされる。」
とつぶやきながらブーブはガタガタ震えながら民家の庭の茂みの中に隠れていた。
と、そのとき家の中から住人が出てきた。
「どうしよう。高速の運転怖いなあ。」という20歳くらいの若い男の声がした。
「仕方ないよ。家賃踏み倒してるし夜逃げするしかないじゃん。」
と、男にそっくりな弟らしき少年が細身の体格に似合わず軽々と
家財道具を運び出しながら言った。
兄:「夜逃げって、今昼間じゃないか。」
弟:「つべこべ言わないで手伝ったらどうなの。」
こんなやりとりを耳にしたブーブは
二人が家の中に荷物を取りに戻ったすきにさっと軽トラックの荷台の中に隠れた。
「こうなったら一か八かヒッチハイクして逃げよう。
ひょっとしたらトン子にも会えるかもしれない。」
とこたつの中にもぐりこみながらブーブは考えたのだった。
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