第4話救出失敗
パンダに変装したつもりのクマがあてもなく走っていくと、
「豚さんをたくさん載せたトラックが高速道路を走っているよ。」
とカラスが飛んできて、クマに注進した。
「おまえが運んで来たらどうなんだ。」とクマが言うと、
「一匹だって重いのに、ほかの豚さんたちが
おれたちも連れてってくれって蜘蛛の糸に出てくる地獄の亡者みたいに
しがみついてきてとても無理だったよ。」とカラスは嘆息した。
それを聞いてクマは途端にどっと疲れが出てきた。
高速道路はここから遠かったし、豚一匹耳の穴に隠しているので
いつもより体が重たかった。
「おれ疲れたからちょっと休憩するわ。」というと、
クマは公園のベンチに腰掛けた。
たちまち小学生くらいの悪ガキがたくさんむらがってきて、
「あっ、不審者がいる!」と叫んでにせパンダを取り巻いた。
「着ぐるみだよね。チャックはどこにあるのかな。」
というと、しつこく背中のあたりを無遠慮に触り始めた。
「あったあった。バレバレでやんの。」と言って、
一番厚かましい性格の少年が勝手にチャックを引っ張ったそのとき・・・。
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