惑星喰いの塔

滝の裏いと

プロローグ

その世界には

 天を貫く巨大な十本の塔がある。

 人はそれを惑星喰ほしぐいの塔と呼ぶ。



 その塔の根元は深く地の底まで続き、その先には惑星喰いと呼ばれる化物が身を潜めているという。

 塔の先は異なる世界へと繋がり、十年の時を掛け、その世界を喰らい尽くすという。



 真偽を確かめた者はいない。



 地の底に下りし者は、惑星喰いの眷属に行く手を阻まれ、志半ばに散った。

 塔を上りし者は、異なる世界より到るも戻らず、その世界と共に散った。



 天を貫く巨大な十本の塔がある。

 その塔より訪れし者がいる。



 十年で滅ぶ己が世界。それを目の当たりにした時、彼の者、如何にあろうか。

 如何に生きようか。



 天を貫く巨大な十本の塔がある。

 謎多きその塔より訪れし不運なる者よ。



 我らの世界は滅びてしまった。

 君達の世界もいずれ同じ道を辿るだろう。



 だがどうか立ち向かってほしい。

 いつか全ての世界が、滅びの定めから解き放たれる日のために。

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