創造能力なのに剣以外を創造出来ません

幻影刃

序章 プロローグ

何これ、どういう状況?

 俺の名前は、桜木士郎さくらぎしろう。特にイケメンや天才という訳でもないごく普通の男子高校生だ。

 今日もいつも通りの高校生活を送っていたはずなのたが……。


「すみません!すみません!」


 目が覚めたら見知らぬ場所で目の前の美少女が土下座をして謝っている。

 何この状況?


「私は貴方たちの世界で言う女神です。桜木士郎様、この度は本当にすみませんでした!」

「わ、わかったから。とりあえず土下座は止めてくれませんか?」

「そうは行かないのです!」

「じゃあ、せめて状況を教えてください!」

「は、はい!わかりました!」


 そう言って女神様は今の俺の状況を説明し始めた。


「まず、貴方は死にました」

「なるほど、まず俺が死んだ……って、俺死んだんですか!?」

「はい、先程貴方の世界で起きたトラックとの衝突事故によって貴方は死にました」


 女神様によると、俺の死因はトラックとの衝突事故のようだ。

 改めて思い出してみると、高校からの帰宅している時の記憶が途中からない。

 でも、何で俺に土下座までして謝るんだ?

 普通に事故で死んだのなら何故、女神様が土下座をしてまで俺に謝る理由が分からない。


「実はですね……私が管理するこの世界の今日死ぬ予定の人についての書類を整理中に誤って貴方の書類を死ぬ予定の人についての書類に混ざってしまい、一緒に処分してしまったのです」


 ——あ、心読まれた。

 でも、大体分かったぞ。つまり、処分する予定の書類に俺の書類が混じって 一緒に処分してしまって俺は死んだと。

 書類で人の生死を決めれるって……。


「あの、やっぱり怒ってます?」

「いや、別に怒っていませんよ。誰にだって間違いの一つや二つはありますよ」


 今さら俺が怒ったところで俺が死んだ、という事には変わりないのだから。

 ところで、俺は天国に行くのか地獄に行くのかどっちなんだ?


「いいえ。貴方は天国にも地獄にも行きません」

「え?」


 ——また心を読まれてしまった。

 でも、どういう事だ?死んだ後は天国か地獄に行くんじゃないのか?


「貴方にはそのまま異世界へ行ってもらいます」


 どうやら俺は、あの有名な異世界転移をこの身を持って体験することになりそうだ。

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