放送部のお告げ
OOP(場違い)
2017年4月10日(月)放送分:ヘチマの話
戸松「だってもヘチマもありません、っていうのあるじゃん?」
坂木「……まぁ、ありますね。きょうび聞きませんけど」
戸松「あれってなんでヘチマなんだろうね。意味わかんなくない? ヘチマなんて日本人の生活にそこまで馴染んでないでしょ。野菜界の雑魚だよ、野菜界のヤムチャだよ」
坂木「昔はヘチマを使って体洗ったりしてたみたいっすよ。食用よりもそっちで生活に馴染んでたんじゃないですか?」
戸松「えぇー、マジで? 肌荒れしそうだけどなぁ。肌にいい成分入ってんのかな、アロエみたいなもん?」
坂木「そこまでは知りませんけど……あ、てか、部長」
戸松「ん? なに?」
坂木「マイク入ってますよ」
戸松「はぁ!? うわマジじゃん! 気付いてたなら言えよお前!」
坂木「いや、けっこう面白い話でしたし、このままオープニングトークにできちゃうかなって」
戸松「順番が違うじゃん! まずは挨拶してからでしょうが! しかも私ヘチマのこと野菜界の雑魚とか言っちゃったし……ごめんなさい全世界1億3000万人のヘチマファンの方」
坂本「1億3000万人もファンいるんすかヘチマ」
戸松「あー……はい、失礼しましたー。放送部部長で月曜パーソナリティの
坂木「同じく月曜パーソナリティの平部員・
戸松「新学期初めての放送なんで、いちおうちゃんとラジオ紹介やっときますか。
こちら毎日とは言わないまでも、昼休みにやったりやらなかったり気まぐれに活動しております放送部ラジオ、『CONTINUE TO AFTERNOON』、略してコンヌンです」
坂木「この番組では、我らが学舎・東大正高校の様々なニュースをお伝えする他、皆さんから頂いたお便りなどに答えていきます」
戸松「はーい……で、じゃあさっきの話の続きしていい? ヘチマヘチマ」
坂木「『だってもヘチマもありません』って言い回しですよね。昔オカンに1回言われた気がしますけど」
戸松「そうそう。だってーだってー、って駄々こねてると低確率の乱数で発生する、母親からのお説教イベントよね」
坂木「部長、今はまだこの世界はゲームじゃありませんよ」
戸松「今はまだって何だよお前。急にSF感出してくんなよ」
坂木「『だってもヘチマもありません』と似た言い回しで、『デモもストライキもありません』もありますよね」
戸松「あー。言われたことあんの?」
坂木「ないっすけど。なんだっけな、小学校の夏休みの朝、テレビつけたら昔のアニメの再放送とかやってたじゃないですか。ああいうので聞いたと思いますね」
戸松「あーあったねそーいうの! 私んときNA〇UTOとかやってたわ!」
坂木「話戻しますけど、まぁだから、『デモもストライキもありません』って、デモとストライキが似たような属性の言葉だからそういう風に言われてると思うんですよね。『でも』から連想できるワードというか。
だから、『だって』と『ヘチマ』にも、何らかの関係性を見出せると思うんです」
戸松「……えっ、そんなガチで考える感じなの? オープニングトークって言ったじゃん」
坂木「なんか燃えてきました。一旦曲流して、その後じっくり話し合いましょう」
戸松「えぇ……お前のスイッチ分かんないわ」
坂木「それでは、今週生徒からのリクエスト数が一番多かった曲はこちら。
星〇源で、『〇』」
戸松「……なんでかな。なんか、全く曲名が伝わってこないんだけど」
戸松「はい、聴いていただきましたのは、〇野源さんの『〇』でした。この曲好きなんだよねー、私もガッキーの真似してダンス完コピしたりしてさ。坂木は見てた? 逃〇恥」
坂木「そんなことはどうでもいいでしょう。今はヘチマの件ですよ、真面目にやってください」
戸松「ええええ……」
坂木「『〇』が流れてるあいだ、『だって』と『ヘチマ』の関係性をずっと考えてたんですけど、多分この言い回し、もともとは違うものだったんだと思うんですよ」
戸松「違うもの? いやていうか曲聴けや。私がノリノリで「ゆ~びのまざい~」とかやってた時正面でそんなこと考えてたのお前」
坂木「おそらくですが、もともとこの言い回しは、『だってもカンピョウもありません』だったのではないかと思うんですよね」
戸松「カンピョウどっから出てきたんだよ」
坂木「『だって』と『カンピョウ』。一見すると何の関係もなさそうな2つの言葉ですが、実はそこには大いなる共通項が隠されていたのです」
戸松「……なにこのフリーメイソン追う特番みたいなノリ」
坂木「『だって』……『だて』……『
そう、『だって』をもじって、『伊達巻き』を連想し、そして同じ巻き系の、『カンピョウ巻き』を連想したのです」
戸松「大いなる共通項が『巻き』かよ」
坂木「『デモもストライキもありません』と同じように、もともとこの言い回しは
『
というものだったんだと思うんですよ」
戸松「……まぁ、なんとなく理屈は繋がってるし、いいんじゃないかな。そっからどうしてカンピョウがヘチマに変わったの?」
坂木「カンピョウとヘチマが似てるからじゃないっすか?」
戸松「ここにきていきなり投げやりになんないでよ! 最後まで責任持て!」
坂木「じゃあヘチマの謎も解けてスッキリしたところで、2曲目いきましょうか」
戸松「あれ? もしかしてお前、私の声聞こえてない? 私見えてる?」
坂木「では聞いてください、コブ〇ロで、『〇』」
戸松「またかよ!」
坂木「……はい。いかがだったでしょうか、『〇』。とてもいい曲でしたね。それではエンディングのお時間です」
戸松「えっ? 嘘? 3年上がって初めての放送がヘチマの話して終わり?」
坂木「全世界1億4000万人のヘチマファンの方、今回の放送いかがでしたでしょうか」
戸松「1000万人増えてんじゃねーか! ただの校内放送が1000万単位の人に影響与えるとかうぬぼれんなよお前!」
坂木「部長、どうですか今の気持ち?」
戸松「ちょっとこっちに顔寄せてみ?」
坂木「なんすか? キスとかしてくれるんですか?」
パァン!!
戸松「ということで、今日のお昼のお相手は。
体罰も愛だよ! 3年1組・戸松玉狛と!」
坂木「……愛あるビンタは首筋狙わないと思います。
2年4組・坂木雅人でした」
戸松「こんなもんで終わりじゃないぞ坂木♡
それではみなさん、午後の授業も頑張っていきましょう!」
坂木「新入生のみんな、何とは言わんが入る部活はよく考えて決めような」
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