第430話 祖母が立てなくなった

 朝、ノートPCで小説を読んでいると、祖母が足の萎えた状態でキッチンに入ろうとしてきた。

 ???

 聞けば「立てない」。

 どうやら、部屋からお尻で這いずってきたもよう。

 椅子の背もたれをつかんで、五分ほど登ろうとしたけれど不可能だった。

 母を呼んできたら、わきから手を差し入れて、後ろから抱えるようにして椅子に座らせた。

 こんなにまで祖母が老いていたことに愕然とした。

 母が言うには昨日から立ち上がるのが困難になってきたという。

 要介護じゃないの!?

 以前ポンポコさんが介護認定のおすすめをしてくださったときに、ちょっとググったからその要領でちょっと調べたら、もはや要支援というレベルではない。

 認定には一か月かかるというから、母に給付金のことを教えておいた。


 祖母は一回起き上がれば、よちよちとではあるが、歩けるらしい。

 一生立てないのかと思った。

 母は祖母の部屋を一階に移し、車いすがいる、というしわたくしは食事はだれが運ぶのかと気をもんだりした。

 まだまだかくしゃくとしていると思ったのに、心底驚いた。

 本当に、何があってもおかしくないし、有事のときにはひとりにしておけない! 安心して学校へ行けない気がした。

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