第415話 フラッシュバック!

 弱い態度をとり続けると、いつしか弱い性格になる。

 らしき言葉をアインシュタインは残しているらしい。

 わたくしは弱くない、と信じたいが腰が低いために弱いと思われてきた節がある。


 高校時代、二年目の学級委員に立候補したのは三人いた。

 チャラ男とうち巻きぶりっ子とわたし。

 先に立候補した二人と合わせてわたくしは学級委員補佐ということになった。


 文化祭は学級委員が議長になってHRで話し合いをすることになっていたので、補佐のわたくしは新しいノートに記録をつけて書記の役目をはたそうとした。

 しかし、女子の学級委員は「わたしは女だから。そういうのは男子がやるべき」と時代錯誤なことを言うので、しかたなくわたくしが議長になって文化祭の話を進めた。


 話はすぐにまとまった。

 やる気のある男子が挙手して意見をバンバン言ってくれたので。

 それで、打ち上げに使える金銭を稼げる「縁日」に決まった。


 しかしそれは、昨年に一度同じことをしていたので再提出になった。

 文化祭実行委員は放課後のがらんとした教室で言った。

「みんなが残って手伝ってくれるのが当然だから」


 しかし、そんな生徒はわたくししかいなかった。

 わたくしは同じグループでもある彼女のためだと思って、図書館に走り司書教諭に助言をもらって教室に舞い戻った。

 クラスの希望は「縁日」では通らないから、そこに「リサイクル」をくっつけた。


 これでみんなの希望通り「縁日&リサイクル」が合格した。

 ところでわたくしは吹奏楽部の手伝いで、クラスの手伝いがほとんどできない。

 だから、わたくしのできることはここまで。


 文化祭準備は吹奏楽部として、体育館の床にシートを敷き、パイプ椅子をずらっと並べる。

 丸められたシートは重たく、何枚もあるので力仕事だ。

 けっしてクラスの出し物を手伝いたくないわけではない。


 だが、「リサイクル」のアイデアをもってきたのがわたくしだと知った、女子の学級委員がリサイクルについての研究をわたくし一人でやれと言ってきた。

 わたくしが言い出しっぺなのだから、模造紙に書いて発表をするところまでしろという。

 もちろん部活があるので無理だと説明したのだが、あくまで「あなたがやって」と丸投げしようとする。


「みんなの希望を通すために付けくわえたものだから、みんなのやりたいことをやっていいんだよ」

 と伝え、わたくしは細かい作業に徹していた。

 しかし、女子の学級委員は納得せず、わたくしを指名してきた。


 お名前をHさんというが、学級委員は人を顎で使うのが仕事だと思っているらしかった。

 彼女のことを「天使」と呼ぶ人がいたが、わたくしにとっては率先して人をひっぱる実力がない人物であると判断した。

 うち巻きぶりっ子は放課後、誰もいないはずの教室で男子と話しこんでいたらしく、忘れ物を取りに行ったところ、すばやくその男子を離れた。


 見られちゃまずいことでもしてたのかな、とは思ったけれどそれ以上は想像もつかない。



 同時にわたくしは卒業アルバム委員にもなったのだけれど、同じ委員のチャラ男が委員会に一回も出てこなかったのに、アルバムの委員の集合写真では大きな顔をしておちゃらけていた。

 人間としてだめだ、この人。

 アルバムづくりも全部わたくしがやった。


 トラブルもあった。

 卒業写真を提出してくれるように呼びかけたら、女子が集団で「見てもいい?」と言うから、あやしいなと思っていたら、案の定「Uさんの写真がなくなってる」と言い始めた。

 そもそも、わたくしはUさんから写真を受けとっていないし、まだ提出していないだけかもしれないのに「紛失したんだ」と言われるのは腑に落ちない。


 不運な事故と言えよう。

 それならそれでスペアを出してもらえばいい。

 しかし、ぶりっ子たちはわたくしの机を囲んで「なくしたでしょ」と繰り返す。


「見せて」と言われてみせた結果だ。

「私が悪いのはわかってる」と一言言って黙らせた。

 しかし、そのあとがいけない。


 Uさんはスペアを出さずに、新しく撮り直すことになった。

 何故だかは知らないが、カメラマンさんが直接Uさんにそのことを告げたらしく、わたくしを責めた。

「そういう連絡は、あなたが言うべきなんじゃないの?」と。


 しかし、わたくしは寝耳に水だ。

 失敗はまだある。

 集合写真のロケーション選びだ。


 わたくしがHRのときに、「集合写真をとりたい場所を言ってください」と言ったと思うのに、特に希望者がいなかったので、無難にピロティ―でということになった。

 当日になって、「三階の広いところで撮りたい」と言われて、カメラマンさんにかけあったが、そこは日陰なので不可だった。

 それを告げるために、わたくしは三階とぶりっ子との間を駆け足で三往復したのだが、結果は覆らない。


 無難にピロティ―でと言ったら、こんどは別の女子が「図書館の前の大きな木の下がいい」と言う。

 あらかじめ希望を届け出てくれないとそれは無理なんだと伝えて、「呼びかけた時に言って欲しかった」と思った。

 無事撮り終えたクラス写真を見ると、女子がむっつりとした顔で写ってて悪いけれど笑ってしまった。


 初めての高校生活はストレスでいっぱいだった。

 三年目の文化祭では、父に吹奏楽部を辞めさせられていたので、二日かけて三枚の等身大アニメキャラを描いた。

 すばらしいことに、同じグループだった美術部の少女たちが助けてくれた! 「なんだか女の子みたいだね」と口先だけ動かすぶりっ子にどうしたものかと思っていたら、少女たちは白い紙を切ってきて、すでに絵が描かれていた模造紙にぺたっと貼った。


 それがみごとに修正テープ! すごいや美術部の実力。

 ありがとう、今でも忘れない。

 原作ではドカンなど履いていない裏飯幽助がごまかせた。


 みんな親切にしてくれてありがとうね。

 今わたくしは、こんなことを書いており、個人的恨みのある人物をイニシャルトークでチャラ男とかぶりっ子とか言ってますけど、実物はもっと変でした。

 なにかと独り言が多いとか。


 面と向かっては言いませんけど、仕事をしないのに大きな顔をしてくれる方々でした。

 進学校じゃなかったら、いじめられてたんでしょうね、きっと。

 それがなんにもしないで人様の子をいじめる側に回ってきょう喜乱舞していたのですから、おめでたい。


 現実なんてそんなものです。

 でも、小説の世界にも彼らの居場所はもはやありません。

 さようなら、さようならwww


 と、いった出来事を寝る前に思い出してイライラキリキリしてるんです。

 大学生編もありますよ、聞きたいですか?

 リクエストを募集します(?)


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る