第398話 他に何もないけど
2021・09・28・火。
この日はどんな一日になるのだろう。
わたくしはみそぎをすませて、神棚にお供えと祈りを捧げる。
少しでも心の支えを必要としているのだ。
祈りの内容までは伏せておく。
今日もいいことがあるといいな。
お友達とおしゃべりしたい。
近況を言い合って、なかよくなりたい。
小学生の時にも考えたことのないことだ。
幼いころ、わたくしは天気の事しかかんがえていなかったから。
自粛生活で、ろくすっぽ外に出ないのに、なぜか母は毎日元気に玄関から出ていく。
今日は妹の娘(つまり彼女にとって孫娘)の保育園の送り迎えをするのだという。
いつも働いているのに、本当に休まなくていいのだろうか。
最近は、母が出してくれる食事を黙々と食べている。
祖母が来る前は、いっしょにキッチンに立っていたのに。
今は祖母がわたくしのポジションにいる。
祖母はわたくしを見下していて、「皿運びの分際で、せからしか!」などというのだが、熊本から避難してきてどうしてそんなに偉そうなのか。
父は「おばあちゃんに世間を教えてもらいなさい」とか言うしね。
祖母は茶道をちょこっと習って、それでやめた人だ。
過去に働いていたこともあるらしいが、ちょこっとでやめた。
中途半端な人だ。
そういう人が、どうして我が家にいるかというと……長男の家では奥さんと娘さんがいるから、姑になってしまうから遠慮しているんだという。
いや、長男ともうまくいってないのでは?
旅行に行ったときの画像を見せてもらったけれど、不自然なほどに十分な距離を空けてお二人とも映っていらしたよ。
今はソーシャルディスタンスで、どなたとも距離を空けるらしいけれど、母想いの長男にしてはどこかおかしくないでしょうか。
日帰り旅行に車で連れて行ってくれていた彼にしては。
いや、そういう話ではなく。
問題は妹が最近調子を崩している。
入院したいそうだ。
休みたいんだね。
そういえば、今年の夏に父の田舎に家族旅行したらしくて、わたくしは聞かされてなかったんだけれど、母がその時の写真を見せてくれた。
妹、目がうつろでね。
ああ、なんかつらそうだなと思ってた。
独りで娘と息子二人を面倒見るのは大変なんだな……って、旦那はなにをしているんだ。
あの尊大な男尊女卑野郎は。
妹の娘(つまり、わたくしの姪っ子)が語るには、旦那が妹の腹を蹴るので、お兄ちゃんがそれをかばって、かわりに蹴られているんだそうだ。
一時的にでもそんなことがあったならば、避難した方が良いと思うのだが、伝え聞いてきた母はどこ吹く風。
通常ならばここは姉らしさを見せて「うちにいらっしゃいよ」とでもいうのだが、そんなことをして迷惑をかけられたことが何度かあるので、入院したいならそうすればいい。
DV夫と出逢ったのも入院先のデイケアだったというし、思い出の地よね。
障害者年金でマンションを買って、毎月母に三万円の光熱費と米や野菜の仕送りをしてもらって暮らしてる妹。
結婚したからって幸せになれる保証なんてないのねってつくづく思った。
やっぱり、わたくしのしたことは間違ってなかったんだわ。
結婚して後悔するなら、初めからしない方がいいのよ。
(*・ω・)(*-ω-)(*・ω・)(*-ω-)ウンウン♪
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