最凶主婦降臨!

黄昏の夜月(たそがれのナイトムーン)

第1話 【新婚生活】~笹原瑞希の場合~

 私の名前は、笹原瑞希と言う。

某有名女子高を卒業してから、早や10年が経過した。

高校を卒業後、しばらくOLをしていたが、寿退社をし、今は専業主婦をしている。




~夫の出社前~


「あなたぁ!今日もお仕事頑張ってね★」

瑞希は、夫の出勤を見送るため、家の玄関でそんなことを言った。


「ああ!任せておけ!!」

瑞希の夫は言った。


「浮気なんかしちゃ、駄目よ?」

瑞希は、夫に釘を刺した。


「馬鹿だな~!こんな美人の嫁さんが居るのにそんな事するはずがないだろう。心配をするな!!」

夫は、堂々と言った。


「絶対だからね!」

瑞希は、念押しをした。


「ああ」


「行ってらっしゃ~い★」

       ・

       ・

       ・


夫の帰宅後・・・・・・・・・・・


「ふぃ~!ただいま~!!」

夫が玄関を開けて言った。


「おかえりなさ~い★あなた♪」

瑞希は、夫を玄関で出迎えた。


「ああ、ただいま!瑞希」


「あなたぁ♪ちょっと、こっちに来てくれる?うふ☆」


「あ?あ、ああ・・・??なんだ?」


「ふんぬっ!!(怒)」


瑞希は、夫の腹部に無言の一撃を入れた。


「ぐええええええっ!!(涙目)」


夫は、悶絶してその場に蹲る。


「おらおらおらおらおら~~~~~!!!!!」


瑞希は、間髪入れずに、夫に対して、連打を叩き込む。


「や、やめろ・・・な・に・す・・・・る・・・・んだ!み・・ず・・き・・?」


夫は、途切れ途切れの声で、制止を試みる。


「バキッ!ベキッ!ボキッ!ボスッ!ガスッ!」


打撃音が室内にこだまする。


「うぐっ!がはっ!ま、待て・・ゲホッ!ゴホッ!」


夫は目に涙を溜めながら、手でストップのゼスチャーをする。


「ふんっ!ふんっ!ふんっ!ふんっ!ふんっ!」


瑞希は、構わず連打の嵐。


「や、やめて・・・お、お願い・・・(涙目)」


夫の心は、折れた。


「トドメ!!(殺)」

瑞希は、必殺技の態勢に入る。


「ご、ごめんなさい~~~!もう“浮気は絶対にしません”~~~~!!!!!だから許して下さい~~~~~~(哀願)」


夫が、ゲロった!


「ピタッ!・・・・・よろしい」


瑞希は手を止めた。


「ぴくぴくぴくぴくぴくぴくぴくぴくぴくぴくぴく・・・・・」


夫は、瀕死のところでかろうじて生きていた。

                             

夫は、全治3週間だった。

           完

最凶の主婦降臨!

第2話 【新婚生活】~笹原瑞希の場合Ⅱ~へつづく。


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