第14話 大戦果!


今日はアーンドラー国との、合同演習の日である!


この日の為に、日々訓練に訓練を重ねて来た斥候部隊と

大隊であった。


その成果を見せ付ける時であるのだ。


アーンドラー国の部隊も1個大隊が参加するのだが、

向こうには斥候部隊と言う概念が無い!


でも此方の部隊には、斥候部隊との連携を訓練してきた1個大隊が

今か今かと、手薬煉引てぐすねひいて待ち構えているのだ!


アーンドラー国との国境地帯の地図も完成していたので、

後は、合同演習を開始するだけだった。


ルクゼンフルグ国の軍代表として、コンラーディン准将の挨拶が、

始まろうとしていた。


ま~こう言うのは、お約束と言う奴だな!


挨拶が終ると、各国の部隊が幌馬車に乗って、それぞれの

開始場所まで移動しだしていた。


行きは幌馬車だが、帰りは徒歩で偵察しながらの移動である!


そして、コンラーディン准将達がいるのは、小高い山に陣どっている。


中規模演習の時と同じである。


見晴らしの良い場所で、山の麓を眺められる!


中規模演習との違いが有るとすれば、森の中なのに相手は

騎馬部隊と言う事だけだ!


何を考えて、騎馬部隊などを連れて来ているのか?


向こうの国の指揮官の意図が、さっぱり解らなかった?


逆に此方は、森の中と言う事で、歩兵部隊である!


ニネットに大隊本部まで、使いを出していた。


敵の本隊は、騎馬ならば罠を仕掛ければ良いだけだ。


その罠の遣り方をニネットが、本隊に伝えに行ったのだ!


なぁ~に!落とし穴とか時間の掛かる物は作らないさ。


もっとも簡単な罠である!


そうしている内に、合同演習の開始の狼煙が上がった。


狼煙と同時に、角笛も吹かれている!


この角笛は、近くで聴くと凄く煩かった。


角笛を吹くとか聞いてなかったから、驚いてしまったぞ!


驚かせないで貰いたいよ。


最初に動きを見せたのは、アーンドラー国の騎馬部隊であった!

それもそうだ、騎馬部隊なのだから動きが早くて当然だ!


斥候部隊はと言うと、直ぐに騎馬部隊を見つけてしまい、

本隊に伝令を送っている。


待ち伏せ地点も、丘の上に陣取っているな!


その丘の手前の林には、罠が張り巡らされている。


良い布陣である!


斥候部隊は、騎馬部隊の後方へと回りこんでいるな!

何時もの攻撃態勢が、整っていたのだ。


後は、本隊同士が衝突するだけだった、そうすれば

斥候部隊が、敵本隊に追撃を仕掛けるからである。


騎馬部隊の方を見てみると、無駄に突進しているだけに

思えてくるのだが.....


何で猪突猛進みたいな、攻撃方法なのだろうか?


此処は平原ではない森なのだ!


森の中で、騎兵の力など半減するのは、解りきっているのに

それを気にも留めてないようだ。


あっ......案の定だ!


騎馬部隊が次々に罠に掛かり、落馬しだしていたのだ。


落馬した兵は、矢に射られるか、槍に突かれるかしている!


槍兵も無駄に前には出ず、敵を倒したら直ぐにタコツボ1人用塹壕

直ぐに隠れている。


いいぞ~!練習した通りに遣れば良いだけだ!


タコツボに蓋をしているぞ!?


歩兵用の盾で蓋をしているのか?


はぁ~~考えたな!


円形の盾の大きさに、タコツボを掘っている、危なくなったら蓋を

タコツボに被せて、敵の攻撃を躱しているな!


今日のMVPは、タコツボに蓋であるな!


タコツボに蓋を考えた奴には、酒でも奢ってやるかな?


タコツボ部隊からの、クロスボウの矢が一斉に放たれた!


攻撃のタイミングが上手いな!


本隊がタコツボの射程に、入るのと同時にクロスボウの一斉射撃

だったから、騎馬兵も堪ったものではないな!


敵の騎馬部隊は、今や大混乱に陥っていた。


指揮官は戦死扱いで、副官も同じ!


下士官で何とか持ってるが、クロスボウ・弓の一斉射撃で、

どんどん数が減っていている。


突進しようにも、槍兵が前には行かせてくれない。


終わりだな!


此方の被害など、軽傷が数名いる位だ!


戦死は0名!負傷6名!大戦果である。


向こうは、戦死689名!負傷230名!怪我の無かった者は、

たったの81名しか居なかった!


1000人の1個大隊の中で、無傷なのが81名だけなのだ。


此れには、双方の上層部も困惑している!


でも....コンラーディン准将と参謀達は、当たり前の結果だと

自負していたのだ!


アーンドラー国の使者に、色々と聞かれているな!


参謀が偉そうに、あ~だ~こうだ話し出していた.....


参謀の諸君!君達は何もしていないだろう?



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