己等は犬の冒険者

和蔵(わくら)

第1話 はじまり


己等おいらは冒険探索犬の葉月だ!


己等の犬種は秋田犬!ご主人様と世界中を飛び回り

冒険の旅をしてる途中に、不幸な事故に会ってしまた。

そのまま、あの世行きと思っていたのだが、どうも

違うようである。何故ならば.....己等は.....



......................................................




{とある国のとある洞窟の中}


まずは、己等のご主人様の紹介をしようか!


己等のご主人様は、とある有名な探検家なのである。

有名大学のお偉い学者でもあった、ご主人様とは何度も

世界中を探検の旅を一緒に行っていた仲である!


今回も、また中南米の古代遺跡の、探索を行なっていたのである!

その遺跡は、アメリカって国の考古学者が、発掘し尽した場所でも

あったなのに、ご主人様は此処に来たのである。


何も発見する物等ないだろうに、また何で此処に来たのかが己等には

さっぱり解らなかった。己等は犬なのだから解らなくても良いのだ!

ご主人様と一緒に居られるなら、何処にでも着いて行くだけである。


探索の準備が出来たのであろう、探索隊のメンバー達が、洞窟の中に

続々と入っていったのである。洞窟の中は探索された洞窟だったので

比較的に綺麗にされていた、己等は埃臭くなくて助かる!


そうして、辿り着いた最下層の部屋で、事件は起こったのである!

隠し部屋を発見した、ご主人様達は喜んで居たのも束の間だった。

直ぐに喜びの顔が、恐怖の顔に変わったのである!


現地ガイドのシモンが、共産ゲリラを連れて登場したからである!

共産ゲリラは、ご主人様達を皆殺しにした挙句に、己等にも銃を

向けて発砲したのである。


己等も殺られまいと、必死の抵抗をしたのだが.....善戦虚しく.....

撃たれて薄れ行く意識の中で、あいつ等の遣った事を記憶に焼き付けた

この恨みは、忘れない.....殺してやる!


それが、己等が覚えている最後の記憶であった!



......................................................



{白い空間にて}


“葉月!葉月よ!”


己等の名前を呼ぶ声が聞こえて来る.....ご主人様?声が違うし

ご主人様の匂いもしない.....誰だ?まさか.....アイツ等なのか?

殺ころしてやる!ご主人様の仇を取ってやる!


“葉月よ!目を覚ませ!”


声のする方向は解った!後は奴が己等の側まで来たら、奴の喉仏に

己等の牙を食い込ませてやる!覚悟するがいいわ!


“目が覚めているのであろう!此方を見よ!”


そうだ、そのまま己等の側に、もっと近づけ!そうしたら殺してやる!

己等は怒りで、怒りの呻き声を出さないように、気をつけながら復讐の

時を待っていたのだ。


“儂は狗神と言うものじゃ!此方を向け葉月!”


狗神ってなんだ?神と付くから神様の事だろうか?本当に神様なのか?

妖しい.....やっぱり殺そう!さぁ~己等の側に来るが良いわ!


“面倒な奴じゃわい!てぇ~い!”


{ドッカ~!}


ゴッホ!ゴッホ!コイツはやはり敵だ!殺るしかない!

殺らないと、また殺られてしまう!こうなれば.....飛び掛る!



{ガルゥ~~~ルルゥゥ!}


“狗神の儂に牙を剝くか!この戯けめが!”


{キャィ~~~ン}



コイツ強いぞ!何者だ?本当に神様なのか?

信じられない!顔を良く拝んでやるわ!


...............


体は人の体が、顔は犬の顔だった!化け物じゃないか!?

己等を食べる気なのか?己等は美味しくないぞ?

何が目的だ!?


“儂はな、不幸な犬を天国に送る仕事をしている神じゃ!”


不幸な犬だと?己等はご主人様から愛されていた!

決して虐待何って受けてないし!幸せだった。


“そうではない!御主とご主人の関係には問題は無い!”


ならば、何が問題なんだよ?


“御主が死んだ時の状況が問題なのじゃ!”


己等が死んだ時の状況.....あっ!


“思い出したか?御主は恨みを抱いて死んだからじゃ!”


そうだった.....もう忘れていた.....


“恨みを抱いたままでは、人に害をなす物にしか生らぬから困るのじゃ!”


そうなのか?


“そうなのじゃ!だから御主を此のまま天国に送る訳にはイカン!”


己等は、どうなるんだ?


“そこでだ、儂も鬼ではない!御主にチャンスをあげようではないか!”


チャンスとは?


“違う世界で恨みを消してから、成仏をしてくれたら良いだけじゃ!”


それは詰り、普通に生きて、普通に死ねと言ってるのか?


“詰りは、そう言うことじゃな!”


どんな世界に行けば良い?


“剣と魔法の世界とかは、どうじゃろうか?魔法とか好きか?”


魔法なんって知らないし!好きでもない!


“ならば、剣と魔法の世界で決定な?異論は認めない!”


己等は、好きでもないって言ったのに?


“黙りなさい!儂は狗神じゃ!狗の中で一番偉いのじゃ!”


偉い犬ならば、己等の意見も聞いてよ!


“犬1匹1匹の意見を聞いてたら、時間が幾らあっても足りないわ!”


ならば、最初から己等に聞くなよ!


“ま~儂の我が儘であるから、1つだけ良い物を御主に遣ろうではないか!”


どうせ~禄でも無い物でしょ?


“要らないのなら別にあげないよ?人の姿になれる種族になれたのに?”


な....なんですと!?神様....それ欲しいです!


“最初から素直に、そう言えば良かったのじゃ!”


すいません.....


“クー・シーは、その姿になれば強いが!満月の夜は無敵になれる種族じゃ!”


無敵?


“そうじゃ無敵じゃ!どんな敵にも負けやせぬ!......多分な”


凄いよ!己等が無敵になれるんだ!


“その力で悪さなどをするでないぞ?”


アイツを殺ってやる!


“おい!そこの馬鹿犬!儂の話をちゃんと聞け!”


んっ?殺りまくる為の能力だろう?


“御主を殺した奴は、もう居ないのだ!殺る必要は無い!”


そうなのか?ならば己等は、何をすれば良いのだ?


“面倒くさいの.....達者でな~!......それ!”


{ガッコン}


えっ!?..........えぇ――――


“次の仕事はっと.....おぉ~美人の雌犬かぁ~儂はり切って仕事しちゃうぞ!”

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