N博士の意思
夢月リク
N博士の意思
彼の名前はN。とても有名な日本人発明家でした。N博士は今までにも様々な発明品を世に出してきた。実用品、ロボット、新しいおもちゃ、宇宙関係から小さな事までありとあらゆる発明品を作り、中には歴史を変えるような大発明もした。
しかし彼を利用しようとする人も多く、彼が有名人になった時には、彼は完全に人を信じなくなっていた。
そんなある日、N博士が有名大学の教壇に上がり話していた。
「この発明品の中には、私の全てが入っています。この’’素晴らしい’’発明品は私の全財産を使いました。見事、開けられたら、中に入っている、私の意思をお渡ししましょう。」
その時の彼は、人生で最も幸せそうだった。彼は決して、何が入っているのかを教えなかった。
次の日、彼は自殺した。あまりに突然なことだったため、この発表は全世界を驚かせた。
彼は事前に遺言を残したが、新しい発明品のことしか書いていなかった。
彼の遺言通り、その発明品は彼の部屋の中に置き、そしてだれでも好きにするようにした。発明品は金庫のようだった。
これを知った別の発明家達は、躍起になってそれをこじ開けようとした。
それだけでなく、ごく普通の一般人も中に入っている、’素晴らしいもの’を手に入れようとした。
ある人はハンマーを使い、
ある科学者は特殊な薬品を使い、
ある警察官は無断で拳銃を使い、
ある国の軍人は死刑の覚悟でダイナマイトを使い、
しかし、けっして開くことはなかった。
何人かは諦めてしまったが、何人かは諦めずにさらに開けようとした。
ゾウに踏ませたり、ビルから落としたり、と残った人々は協力して開けようとした。
そしてある日、開いた。ついに開けたのだ。しかし、だれも喜びの声を上げようとしなかった、いや、上げれなかったのだ。
中から怪しい色のガスが出てきたのだ。
すると発明品についていたレコーダーが、最初で最後の仕事をした。
「冥土の土産に教えてやろう。このガスは世界でもっと危険な有毒ガスと睡眠ガスだ。これでこの場にいる半径5mの人は確実に死ぬだろう。このガスは私の全財産を使い、発明した。私、Nの意思は欲望のためならどんな事もしかねない人達を一斉に...
N博士の意思 夢月リク @rikuro
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