突入


 オーク達の巣の中に入った俺たちは、入ってすぐにある分岐で別れた。


「ほー、やっぱり多いな」


 今俺は一つの通路にいる。そして前後にはその通路を埋め尽くすオークの姿があった。


 ブヒブヒ!と声を上げ。


 オークは豚の形をしていて声まで豚らしい。


 ああ、耳障りだ。


『|氷の吐息(アイスブレス)』


 俺は口から氷の息を吹き出し前方にいるオークを凍結させ凍篭華で斬った。


 そして次に後ろにいるオークたちに手を向けた。


『|炎乱の部屋(ファイアールーム)』


 次の瞬間、後ろのオークたちの足元から現れた炎が荒れ狂いオークたちを飲み込んだ。

 そして魔法が終了した時、残っているものは何も無かった。


◇◆◇◆◇◆◇◆


 私はハク!ご主人様の黒瀬神夜様に仕える従魔。本当の姿は神竜だけど今は人型に変身している。


 此処はオークのアジトらしくいっぱい出てくる、そして私の足元には黒焦げになっているオークの死体が転がっている。


 やっぱり弱いよね。相手にならない。そう考えていると一つの扉があった。


『ご主人様ー』

『なんだー』

『扉を見つけたんだけど、中には宝の匂いがぷんぷんするんだけどどうする?』

『んー、ま、帰る時に回収するか。次にルナの所へ向かってくれ』

『了解』


 この会話は従魔と主人にしか出来ない会話です。脳内に直接呼びかけることが出来るのです。念話に似ているね。


 よし、ご主人様に言われた通り捜索を続けるぞ。


◇◆◇◆◇◆◇◆


 ボクはルナって言います。ご主人である黒瀬神夜様の従魔です。今は人型ですが、本当の姿はフェンリルです。


 今はオークのアジトにいるのでよくオークに遭遇します。まあその時は、体の一部をフェンリルに変え殺しますが。


 あっ、扉だ。


『ご主人、扉を見つけたんですが、中から人の匂いがします』

『!わかった。生きている人がいたら助けてやってくれ』

『了解です』


 これはさっきハクが言っていたやつです。従魔と主人が会話するものなので私にもハクとご主人の話が聞こえていたのです。


 ボクは目の前の扉を開いた。するとそこには、先程運ばれていた女の人が裸にされオークに押さえつけられ今にも犯されそうにいる。

 ボクはそれを見て、怒りがこみ上げてきました。


 このクソ豚目が!!


「待っててください、今助けます」


 ボクの言葉が聞こえたのだろう、オークたちは全員こちらを向き襲ってきた。


「だ、だめ!こんな所に貴方みたいな小さな子が来たら!早く逃げて!」


 捕まっていた女性が叫んでいる。だがボクはその言葉を無視し飛んで襲ってくるオークたちを常人では見えない速さでフェンリル化し、切り裂き全員殺して元の姿に戻った。

 恐らく誰も今のを見れてないだろう。


 女性は口を開けポカンとした表情をしていた。


「助けに来ました」


 ボクの言葉が耳に入いり安心したのか、女性は泣き出しボクはその姿を見て「大丈夫」と安心する言葉を発し続けた。


◇◆◇◆◇◆◇◆


「さて、女性は確保、お宝発見、オークはほぼ全滅。あとはここの扉の中にいる奴らだけ」


 俺は四つの部屋のうちの三つを攻略し最後の扉の前に立っている。


 ここにはさっきまでいたオークたちとは別格の者がいるな。


 俺は扉を開け中に入った。

そこは多くの死体が転がっており腐った匂いが漂い、ハエが飛んでいる音が聞こえる。

 そして奥には今までとは明らかに違う雰囲気を纏わせるオークとその側に剣と盾を持っているオーク、後ろには杖を持っているオークがいた。

 あれは恐らく殺した人たちから奪ったものだろう。


【鑑定】


【名前】ハイオーク

【レベル】35

【HP】52

【MP】61

【攻撃力】49

【魔攻力】63

【防御力】51

【魔防力】62

【俊敏力】58


スキル

魔力上昇(小) 精力増強


魔法

火魔法Lv3


【名前】ハイオーク

【レベル】31

【HP】52

【MP】61

【攻撃力】54

【魔攻力】63

【防御力】52

【魔防力】60

【俊敏力】56


スキル

魔力上昇(小) 精力増強


魔法

水魔法Lv1


【名前】ハイオーク

【レベル】39

【HP】57

【MP】68

【攻撃力】49

【魔攻力】59

【防御力】47

【魔防力】56

【俊敏力】42


スキル

魔力上昇(小) 精力増強


魔法

風魔法Lv3


【名前】ハイオーク

【レベル】43

【HP】67

【MP】23

【攻撃力】67

【魔攻力】25

【防御力】58

【魔防力】29

【俊敏力】61


スキル

剣術Lv1 筋肉増強(小) 精力増強


【名前】ハイオーク

【レベル】51

【HP】69

【MP】24

【攻撃力】70

【魔攻力】23

【防御力】57

【魔防力】25

【俊敏力】48


スキル

剣術Lv3 筋肉増強(小) 精力増強


【名前】ハイオーク

【レベル】49

【HP】53

【MP】30

【攻撃力】61

【魔攻力】28

【防御力】58

【魔防力】26

【俊敏力】45


スキル

剣術Lv2 筋肉増強(小) 精力増強


 俺が周りを見ている時後ろのハイオークの魔法を使える三匹が魔法を放ち始めた。だが俺はそれらを全て凍篭華で魔法を切った。

 それに驚いた様子のハイオークたちは剣と盾を持ったハイオークが突撃しに来て剣を俺に向かい振り下ろしてきた。

 俺はそれを凍篭華で受け止めるとハイオークの剣は半分に切れていた。


 そしてハイオーク共を肩から切り落とした。

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