冒険者
「らっしゃい!らっしゃい!今日はいいものが入ってるよ!」
「うちの野菜も見てってくれー」
「このお肉はいつもの2割引だー!」
門をくぐるとそこは屋台が多く並び、魚屋や肉屋に八百屋、本を売っていれば服も売っている店がある。そしてその大通りは人が沢山通っており賑わっていた。
「ご主人様ー」
「ご主人ー」
「うわ!」
この門をくぐった瞬間二人は突然出てきた。
「どうしたんだ?急に」
「ご主人様が出たい時に出ていいって言ってたから」
「ボクたち出てきました」
「じゃあ疲れた時は中に入っておけよ」
「「はーい」」
そして俺はこう思った。
「さて、異世界って言ったら冒険者だよな」
そう、異世界と言ったら冒険者だ。俺は神様たちに育てられた人間だが普通に地上の小説とかには興味があった、だから冒険者には憧れていた。
そして俺は【|盤上の地図(ボードマップ)】を使い冒険者ギルドがある場所を調べ向かった。
数分後。
「ここが、冒険者ギルドか」
そこは大きな建物に剣を二本クロスにして屋根に突き立てている場所だった。
そしてその建物のドアを開いた。
「「「カンパーイ!」」」
「オラねーちゃんビール追加だ!」
「はーい」
中に入ってみれば朝から酒を飲んでいる者達やクエストボードらしき物の前で悩んでいる者などでいっぱいだった。
俺は五人の受付嬢らしき人から紫色の髪をした胸の大きい人の所へ向かった。因みに五人ともすごく可愛いです。
「すみません、俺とこの二人、冒険者登録をしたいんですが」
「あ、はい。でも大丈夫ですか?こんな子供が」
「ああ、心配いらないです」
「わかりました、ではこの石版に触れてください」
俺たちは言われた通り触れた。そしてその石版は少し光ったらすぐに消えた。
「はい、これで冒険者登録は終了です。ギルドの説明は必要ですか?」
「お願いします」
「わかりました」
説明は簡単にまとめるとこうだった。
一つ、ギルドはランク制で下からE、D、C、B、A、S、SS、EXに分けられている。
一つ、ランクアップには自分のランクのクエストを十個と一つ上のランクのクエストを一個受け達成し試験に合格しなければならない。
一つ、クエストは自分のランクより一つ上のクエストか下のクエストだけ受けられる。
一つ、ギルドは国の支配下ではなく独立している組織である。
一つ、パーティーは何人でもよい。
だった。説明している間、二人はギルド内をキラキラした目で見ていた。
「では、これで説明を終わります。私の名前はエミリと言います、これからよろしくお願いします」
「俺の名前は神夜です、よろしくお願いします」
「これがEランク冒険者カードです。これは身分証明にも使えます。失くしたら銀貨1枚で再発行できます」
ギルドカードはEは赤、Dは青、Cは緑、Bは黄、Aは白、Sは銀、SSは金、EXは黒色だ。
つまり俺たちは赤色のカードを受け取った。
「ありがとうございます。早速クエストを受けたいのですが」
「ではあちらのボードからお選び下さい」
「わかりました」
俺は受付から見て右にあるボードに向かった。
そして俺とハクとルナがどのクエストがいいかを話し合っている時。
「おいおい、ここは餓鬼たちが来る場所じゃねぇぞ。いつからここは餓鬼の遊び場になったんだ!?」
声のしている方を向くとそこにはスキンヘッドのおっさんが立っていた。
「ご主人様ー、変なおじさんが何か言ってるよ?」
「ほっといていいんですか?」
「二人、あんなのは見てはいけません。目が腐ってしまいます」
「わかった」
「はい」
「おいおい、ミゴ。お前相手にされてないんじゃねぇのか」
「うっわ可哀想に」
「でも久々にミゴの新人潰しが見られるぜ」
などと酒を飲んでいる奴らが言っている。その中には「お前、あいつどれくらいで泣くと思う?」「俺は5分かな、一応ミゴもBランクだし」と何故か賭け事が始まっていた。
「おい、てめぇ喧嘩売ってんのか!俺はまだ35だ!」
「ゴミがギャアギャアうるさいな。しかも35ってもうおっさんじゃね」
「なんだと!この餓鬼が!!」
ミゴと言う奴は顔を赤くし怒ったらしく殴りかかってきた。それを見ていた受付嬢たちは「やめてください!」と言って叫んでいた。
俺はそれを無視しミゴとかいう奴の弱っちくてノロマのパンチを受け流し頭を掴んで床に叩きつけた。
ドシャンン!!
床が抜ける音がギルド内に響いた。
ミゴは体をビクンッビクンッと痙攣させ動かなくなった。
「で?なんか用?」
俺の言葉を聞き騒いでいた奴らはすぐに静かになった。
「ご主人様、相変わらずかっこいいよ」
「当たり前じゃなですか、ボクたちのご主人ですよ」
二人があまりにも褒めているため俺は照れ隠しに頭の後ろを掻いた。
そして俺は何事も無かったようにボードに貼っていたクエストを一枚取りエミリさんに渡した。
「エミリさん、これ行ってくる」
「へ?あ、はい。わかりました」
少し間抜けな声を上げている姿も可愛いかったエミリさんに見送られ俺はギルドを出た。
大通りを通り門を抜け俺は今、ルミナ王国から少し進んだ所にある草原にハクとルナと一緒にいる。
受けたクエストはこれだ。
━━━━━━━━━━
【クエスト】ウルフプラントの討伐
必要な素材、ウルフプラントの背中に生えている白癒の花を十個ギルドに持ってくること。
━━━━━━━━━━
俺たちは草原には居なさそうなので森に入った。
そして森に入った瞬間【索敵(極)】に反応があったので見てみると体が金属でできた狼だった。
【鑑定】してみるとメタルウルフと出てきた。ただ耐久力と攻撃力が高くスピードが遅いだけの魔物だったので瞬殺し|無限収納(インベントリ)に入れておいた。
そして森の中を進んでいるとウルフプラントが現れた。大きさは約5メートルか?
「ハク、あいつは植物で出来ているからブレスはできないぞ。だからルナが討伐してくれ」
二人は俺の言葉を聞きハクはつまらなそうに「ちぇ」と言っているし、ルナは嬉しそうな顔をしていた。
「了解です!ご主人!」
そう言うとルナは直立二足歩行から四足歩行の体勢になり体のあらゆる所から銀色の毛が生えてきフェンリルの姿になった。
次の瞬間、ウルフプラントの首は胴体と離れた姿で倒れその奥にはフェンリルの姿をしたルナが立っていた。これは常人には見えない速さで首を噛み切ったのだろう。
「ご主人、褒めて褒めてー」
「おう、よくやったな」
そしてルナは人型になりこちらに走ってきたので俺はルナの頭を撫でてやった。するとルナは「わふ〜」と目を細め気持ちよさそうにしていた。その姿を見てハクはつまらなそうにしていた。
「ハク、今回は相性が悪かったからルナにしてもらったんだ。また別の時に頼むよ」
そう言うとハクはパーと顔を光らせるような笑顔で近ずいてきた。
そして俺たちはウルフプラントの背から必要な素材の白癒の花を採取した。これはポーションを作る時に必要らしい。
そして帰り道、俺が発動している【索敵(極)】に反応があった。そっちに向かってみるとオークが三匹いて一人の若い女の人を洞窟に運んでいるところだった。恐らく女の人は気絶していてあそこに巣があるのだろう。
俺はすぐにその洞窟に入った。そして【隠密(極)】と【無臭】、【無音】を発動させフードを被った。これなら誰にもバレずに完璧に進めるだろう。
そして俺は【|盤上の地図(ボードマップ)】を起動させた。現れたのは大きな部屋が四つあるオーク達のアジトの姿だった。
「ハク、ルナ。お前達も気配は消しておけよ。俺はオーク達を殲滅するから捕まっている人たちを助けてやってくれ。その際オークを見つけたら殺してもいい。」
「了解」
「わかりました」
「じゃあ行くぞ」
俺がそう言うと三人で一斉に洞窟の中に飛び込んだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます