私は婚約破棄に翻弄される・・・
こうじ
プロローグ
「風邪ですね。1日安静にしていれば治るでしょう。」
「そうですか、ありがとうございます。」
「ごほごほ・・・・・・、お母様、今日のパーティーは・・・・・・。」
「無理ね。今日は1日ゆっくりと休みなさい。」
「わかりました・・・・・・、くしゅん!」
私『ミリア・シューバルト』は、今朝から体調が悪くお医者様に見てもらったら見事に風邪と認定されました。
今日は『ハレミナ国立学院』の卒業パーティーがある日です。
既に兄の『レモンド・シューバルト』、お父様の『グラン・シューバルト』は学院に出掛けております。
父は学院の理事を勤めているので必ず出席をしなければならないのです。
更に言えば兄がこの度卒業と同時に『フェリア・ローグナー』伯爵令嬢と結婚し我が家を継ぐ事になります。
我がシューバルト家は、国から伯爵の爵位を戴いております。
まぁ、それなりに裕福な生活をしております。
私も卒業パーティーに参加する予定だったんですがドクターストップが入りましたから仕方がありません。
壁には今日の為に新調したドレスが飾っております。
「着たかったなぁ・・・・・・。」
「また機会があるわよ。」
お母様の『クリステル・シューバルト』が慰めてくれます。
「今日は1日ゆっくり休みなさい。なるべく早く帰るから。」
そう言ってお母様は部屋を出ていきました。
「寂しいなぁ・・・・・・、くしゅん!」
多分、パーティー会場は楽しく盛り上がっている事でしょう。
なんだか、一人だけ別世界にいるみたいで、心寂しいです。
「ドレス、着たかったなぁ・・・・・・。」
恨めしそうな目でドレスを見ます。
また、着れる日が来るだろう。
そう思っていました。
しかし、結論から言えばこのドレスを着る事はありませんでした。
穏やかだった私の日常はこの日を境に騒がしく、音を立てて崩れていく事になるのです。
この日行われた『婚約破棄』のせいで・・・・・・。
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