02 公称スリーサイズはアテにしちゃイカンよ?
現実の、女性の平均的なスリーサイズをご存知だろうか?
今回の数字は日本人20代女性の場合だが、下着を作り続けて半世紀、天下のワコールさんが、豊富な蓄積データから平均スリーサイズを導き出している。
バスト:81.3cm
ウエスト:64.7cm
ヒップ:87.6cm
勝手な予想だが、多くの男性はこの数字を見て、「ウエスト太っ!」などと思ったんじゃないだろうか?
うん。それ、現実の女性の前で言ったら、殴られても仕方ないからね?
○ ○ ○ ○ ○ ○
知ることができる他人のスリーサイズは、ほとんどの場合、アイドルやタレントがプロフィールに記載している数字だと思う。
でだ。個人的な印象だが。
いろいろ見ていくと、『ウエスト58cm』がやたら多い気がする。メチャクチャ多い。不自然なくらい多い。
そう思って調べてみたら、既に調べている人がいて、本当に不自然だった。
(参考)
【雑学界の権威・平林純の考える科学
2012/10/20 女性タレントの法則「"8″が付いてるスリーサイズはかなりウソ」】
http://hirabayashi.wondernotes.jp/2012/10/20/%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%AB%E3%81%AE%E6%B3%95%E5%89%87%E3%80%8C8%E3%81%8C%E4%BB%98%E3%81%84%E3%81%A6%E3%82%8B%E3%82%B9%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%82%BA%E3%81%AF%E3%81%8B/
タレントのプロフィールでは、バストは80と88、ウエストは58が最も多いらしい。グラフ化して見ればわかるのだが、日本人平均スリーサイズが最も高い標準偏差を行うはずなのに、違う部分がピョコッと飛び出た不自然な分布になる。
もちろん可能性としては、日本人全体と比較して芸能人は
だけどね? やっぱり疑ってしまうよね?
バスト70台だけど切り上げして80に盛ってるんじゃないかなー、とか?
90まで行くと忌避されることもあるから控えめにしてるんじゃないかなー、とか?
ウエスト60オーバーだけど事務所マターでサバ読んでるんじゃないかなー、とか?
とはいえ、自分はそれが悪いとは思わない。
アイドルやタレントは、夢を売るのがお仕事だ。一般的に詐称は問題、場合によっては犯罪にもなるが、許される部分は『作る』ことも仕事の一部だと思う。
スリーサイズの数字もそのひとつ。販売戦略としては断然アリだろう。
そう。フィクションなのだ。ウエスト58cmは夢なのだ。「ンなヤツ現実にいるかぁぁぁぁッ!」という幻想なのだ。
だから世の男性諸君は、現実とゴッチャにして、日本人20代女性平均ウエスト64.7cmを「太っ!」などと決して思ってはならない。
女性の理想女性体型はモデル体型、男性の理想女性体型はもっと肉感的と見方が異なるが、平均的な身長なら64.7cmのウエストを持つ女性を現実に見ると、むしろ細い印象を抱くと思う。70cmでも気にならない場合も多い。逆に50台なら『細い』というよりガリガリに思えて、あまり魅力的に思えない場合もある。
自分の経験上、ウエストの数値も体重同様、女性のタブーとなっている気がする。同じスリーサイズでも、バスト・ヒップとは比較にならないほどガードが固い。男にはもちろん同性同士でも、なかなか本当の数字は教えてくれない。
口をつぐみたい気持ちはなんとなく理解できるのだが、その一方、口の堅さが、男がリアルとフィクションの区別がつけられない一因ではないかと思ってしまう。
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
実在するタレントでこうだと、非実在青少年たるフィクションキャラクターでも同様になる。設定作りの際、参考にするのがタレントのスリーサイズなのだろうか? なんとなく似たような傾向がある。
更にビジュアル、それも写真のように現実そのままを写し取った写実的な絵ではなければ、デフォルメでより顕著になる。
リアルに考えれば、萌え絵な美少女キャラクターの目はありえないほど大きい。これは、子供の顔と目の大きさの比率のように、目が大きいものに対しては愛らしさを覚えるという特徴を、極端に変形させて描写させているからだ。
プロポーションも同様に、デフォルメ化される。
絵書きさんでも違いがあり、リアル寄りに書く人もいれば、グラフィカルに書く人もいるが、大まかな傾向は共通してあると見ていい。スリーサイズの数値が設定されていたとしても、現実の女性よりかはいくらか、胸がやや大きめ、ウエストが細め、ヒップへの向けてのラインが強調される。いわゆる『ぼんっ・きゅっ・ぼんっ』に近づく。
現実と違ってもいいんだけどね? 実在の芸能人でも別にいいやと思ってるんだから、非実在のキャラクターのプロポーションを『作る』ことにケチつけるつもりはないよ?
だが、クリエイターの側に立つと、作品作りを行う際に注意が必要とだけは言っておきたい。
何事にも限度がある。それを超えるとダメ出しされる。
二次元と三次元は別物とはいえ、
作品内で「1メートル」と定義したなら、それは現実の1mと同じだ。架空の単位が設定されていても、現実のヤード・フィートと同じように換算して考える。
作品内で人間が登場すれば、特段の説明がない限り、多くの人は無意識に、平均から理想と思える身長の幅で考える。よほどの変人でない限り、2m超えとか考えない。
当たり前の話だ。人間は自分自身の常識に照らし合わせて物事を解釈するため、自然とそうなる。個人差はあるが、倍半分違うような極端なものにはならない。
ということは、だ。
特に人体を数値化したものに、あまりにもヒドいデタラメが混じっていれば、それが異常だと感じる、ということでもある。
それこそウエスト58cmのように、少々のことなら「フィクションだから」で大目に見てもらえるが、あまりにもヒドくて「フィクションだから」と反論を封殺しようとするのは作者のワガママだ。
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