夏×祭り

カゲトモ

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 へぇ、そっかもうそんな季節か。

 個人的に七夕を皮切りに夏の期間がスタートするような感じがする。

 例えば本格的に夏服を着たり、眠る時のエアコンを解禁したり、今は行かないけどプールに遊びに行ったり、夏休みがあったり、花火大会があったり。主観でしかないけど、とにかく夏が始まったって感じがする。夏を過ごしてもいい時期になったって言ってもいい。六月はまだ夏じゃないって感じがするから。どうしてか分からないけど。

 商店街の中にある掲示板に夏祭りのポスターが貼ってあった。来週の土曜、午後二時から。

 花火が上がるような大きな祭りじゃなくて、地域の子供向けの夏祭りだ。子供会が主催ではあるけれど、商店街にあるいくつかの店も出店していたりする。まぁ俺の店はバーだからさすがにしないけど。喜ぶのは子供じゃなくて大人だし。

 ・・・でも子供向けのジュースのカクテルとかあってもいいかも? いや、それじゃただのミックスジュースかフルーツポンチになるか。既にそう言うのも出店していそうだし、第一未成年にノンアルコールとは言えバーからは提供できないか。

「お兄ちゃんっ」

 じぃっとポスターを見ていたからか、傍にいたことに全く気付かなかった。

「お兄ちゃんもおまつり行くの?」

 いや、別にそういうつもりでポスターを見ていた訳じゃないけど。

「残念、この日は仕事なんだ。コタロウは行くの?」

 少しだけ背が高くなったような気がするコタロウは、変わらない無邪気な笑顔で大きく頷いた。

「うん! 友達と行くの!」

「そっか、楽しみだね」

 コタロウはもう一度大きく頷いて答える。そうだよな、まだ小学二年生だし楽しみで仕方ないよな。俺が子供のときだってそうだったもん。

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