PROLOGUE.

西暦2100年。科学は進化を遂げ続け、人類は究極の利便性を手に入れていた。

紙幣や硬貨を使う時代は終わり、全て各自の端末にチャージされる仕組みに変わっていた。栄養素のみの抽出研究が成功し、野菜や果物の栽培、豚、鳥、牛、魚などを食す必要が無い食環境。錠剤やドリンク状にした栄養素で全てが補える。

車や電車には車輪という概念は無くなる。空気で浮遊した状態で進むシステム、更には充電式になり石油も過去の産物と化していた。


しかし、不自由のない生活を送っていた人類は未知なる脅威を迎える----


同年、ブラックホールが原因不明の大爆破を起こし、火星の位置が大きくずれたのだ。その勢いのまま火星の側面が地球に激突し、まるでヒョウタンのように一体化して静止してしまった。太陽を遮られた地球は、氷点下になり、人類を含む生命体は約半数近く絶命した。そこで人類は、瀕死状態の地球から激突したまま静止している火星に生命体を移住し、新たな惑星を形成する。この研究と期間は100年を過ぎた現在も続いている。


驚いた事に、火星にはいわゆる火星人が生活していた。街を築き、まるでもう一つの地球のような環境になっていたのだ。同じく生きるものとして和解した為、現在では共存している。

火星人と地球人の協定により、地球の生物が生きていけるような環境を作った。


共存から190年、火星のそれぞれの都市は、巨大なシェルターに包まれ、都市内であれば人類は宇宙服を装着しないで普通の生活ができる。



この物語は、火星を管理する「火星警察」の奇怪事件簿である。


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