転生したら王だった

神城ハクア

プロローグ

この国には100年に一度人間界から一人戦士を召還することができる。


そして今日はその100年に一度の召還の日。

召還は王家の血を引く子がになうことになっている。

女の場合は男が召還され、男の場合は女が召還される。

この儀式は、魔法陣を発動させ王家の血を混ぜることで

召還に成功する。

血を混ぜることで召還された者は王家の血を受け継ぐ後継者となる。


”ただし、召還をした者は召還された者と婚姻関係を結ばなければならない”


そのためこの儀式は国民からは受血祭または召還祭と呼ばれている。


今回儀式を行うのは王家の娘であり次期女王と示唆されているエイル=アリウスである。


彼女は16歳ながら使命感が強く今回の召還を楽しみにしていた。


「ふぅ~緊張する」


全国民の注目の的になるのだから仕方ない。


「今回の私の召還でこの国の明日みらいがきまるんだ…」

「全国民のため、そしてお父様お母様のためにも必ず優秀な戦士を召還するんだ!」


  「いきます!」


そう言い放つとエイルは魔法陣を発動させ召還魔法サモンマジックを放った。


祭壇の中心に光が落ち鎮まるにつれて人影が露わになってきた。


  「やった!成功した」


エイルが内心で喜んでいるとその人物がこちらへと一歩一歩歩いてきた。


「ここはどこですか?」

「あなたたちは一体…」


その声は迷子の小学生のように弱く、不安定であった。


「ここはメルクリア領の教会だよ」

「君はこの国を救うために召還された英雄だ」


「…えええええええ~!?!?」


「君、名前は?」


雲龍うんりゅう海斗かいとです」


「カイト君か。これからこの国の英雄として頑張ってほしい」


     「いいかい?」


いきなりのことであったがその場の雰囲気に呑まれて戸惑いながらも決断した。


「英雄か、まぁ日本に戻れそうもないし大船に乗ったつもりでやってみるか」


そう言うとエイルはカイトに手を差し出した。


「これからよろしくね!」


「ああ宜しく頼むよ」


二人は握手交わした。

しかしカイトの目はうっすら曇っていた。






















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