第30話 分かれ道
好きな人と姉が付き合い始め、悲しくて悔しくて、姉の宝箱を漁り家を飛び出した。家の前のハイウェイをひたすら走る。昔よく姉とレモネードを売り、旅人が買ってくれた。
彼らはどこから来てどこへ行ったのか。私はこれからどこへ行くのか。
息が切れ止まると十字路だった。右と左は街へ続くが、まっすぐ行った先を私は知らない。
盗ってきた姉の宝物を見る。綺麗な釦、手紙、飼い猫の写真。そして不思議なダイス。
転がる度に色を変えるそれは、姉の拾い物だった。たまたま手にしたそれを姉は大事にしていた。
あの彼だって、姉はたまたま手に入れただけだ。
私は大きく振りかぶりダイスを投げた。それは真ん中の道を飛び、遠くで光ってすぐ消えた。
改行・スペース抜き299字
Twitter300字ss企画 第七十四回 お題「道/路」
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