第10話 うそつきサムの末路
嘘つきサムは、いつも歌をうたうように嘘をつきました。
「おばさん、さっき旦那が別の女にキスしていたよ」
「じいさん、隣町に昔なじみがいるだろ。先週死んだよ」
サムは嘘ばかりつくのですが、その響きが美しい歌のようなので、みんなサムを許してしまいました。
ある日魔法使いが現れ、サムがもう嘘をつけないよう魔法をかけました。サムは嘘も、美しい歌声も失いました。
「これから俺はどうすればいい」
「真実を歌えば良いのだ」
今サムは、真実の歌を、だみ声と外れた音階でうたっています。
それはとても美しい真実の愛についての物語で、人はそれを聞き、やはりサムを許すのでした。
Twitter300字ss企画 第53回 お題「歌」
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