俺が一目惚れした彼女は...

水無月未奈

第1話 じいちゃんを恨む可能性が少々1

 俺は高梨 薫 今まで何も出会いがなかったただの高校一年生だ。

 高校までの道のりで時間がかかるのが嫌で、自転車使って20分くらいのアパートを借り、そこから学校へ向かっている。


 高校始まって上手くスタートダッシュを決めれず、余儀なくボッチとなってしまった。

 ち、違うぞ、他クラスに友達一人いるし、下校までの我慢だし、と思いつつ6時間目が終わるのを待った───


 いつの間にか寝ていたようで、俺の隣でこめかみ辺りをぴくぴくさせ、笑顔でこちらを見ていた男がいる。

 名は金城達也────小学校からの腐れ縁で高校まで同じという。なんという偶然。


 金の名字が、ある通り割とお金を持っていてたまにジュースなど奢ってもらってます。


 背丈や顔は俺が上だと思うがな!と

 どんぐりの背比べをしつつ、当の本人は今から大親友をそのまま置き去りにして、教室を出ようとしていた。


 達也はあまり似合ってないメガネをくいっとカッコつけてあげ、話し始めた。


「おい、今日お前ん家のじいちゃん来るんじゃなかったか?」

「やべ、そうだったじいちゃん時間厳しいから早く帰らないと。」


 大抵、じいちゃんは18時くらいには来て、1週間くらい寝泊まりした後、

「達者でな」と置き手紙をして、俺が学校行ってる間にいつも帰る。


 今の時刻が5時手前急いで着くのが5時20分手前、俺は達也を置き去りにし、急いで自宅へと戻った。


 部屋などあまりこまめに掃除はしてないが今すべきなのは────そう。

 ベットの下の薄い本の事です。


 あれだけはダメだ。少し前にバレたことがあって、とてもニヤニヤしだし、

「お前も思春期か、そうか」と言われた時、これは死んだと思った。


 その後、じいちゃんが帰ったあとも、母からメールが届き文面が

「やっぱり金髪のロングが好きなんでしょ?」と送られた時は、流石に塞ぎ込んだ。

 その後父から電話で

「今すぐ否定しろ。次にやっぱり親子ね〜と言われる未来は見たくない。

 だから速く否定しとけ。分かったな!」


 と伝えられ、俺は

「違うわ。俺が好きなのは黒髪のロングだし」と俺はこんなに速くメールを打てるのか、と関心していると母から

 写真付きのメールが届いた。

「ハイハイ、証拠よ」と

 短い文面に付けられてきた写真に俺は目が釘付けになった。


 何故って────?

 証拠をとったあのじいちゃんは許さんが、それ以上に驚いたのはをとっていったことである。

 そして家でとったのであろう。

 両親が後ろに写っているが父は鼻の下を伸ばし、母が何か作っていたのか、おたまを持ち、父の不意をつけるように、後ろからこそーっと近づいてるのがみてわかる。


 その後母からも写真付きのメールが届いた。

「コレでわかったでしょ?やっぱり親子ね〜」ときて、

 写真の方がじいちゃんが撮ったのだろう。

 母が左手でピースし、右手のまだ湯気が出て見えたおたまを、父の頬に当てて、とても楽しんでいた。

 父は明日片一方の頬がおたふくのように膨れて会社行くのかな〜と思ってると、

 父からメールが届き文面がこうだ。

「こうなるから、次から辞めろよ。せめて、じいちゃん来る時に友達の家に置くなりしてこい。そうしないと、じいちゃん帰ってくるなりこうなったらもうタチが悪いから、分かったな」と長々と文が綴られてきた。

「分かった」と

 これだけ送り、その日は終わった。


 ────で

 今日じいちゃん来るのを忘れてました。父にとりあえず謝罪の文を送り、

 急いで自分の部屋に戻った。


 自分の部屋はリビングの隣にあってリビングから、居間や今は使ってない部屋などに行ける。

 とりあえず居間に座布団を敷き、薄い本を何処に置こうか迷っていると父からの返信が来た。

 アドバイスでも、書かれていると思って見たら

「バレたら、仕送り減らす」と

 ただこれだけきた。

 これは、多分暗喩で「俺が考えれる全ての場所はバレている」と言うことだろう。だって、親子だもん。何か考えがわかる。


 じゃあどうする。達也はまだ家ではないだろうし、いたとしてこれを匿ってくれだなんて言いづらい。


 じゃあ、どうするか。時刻は5時40分

 そろそろきてもおかしくはない、ここは、父を犠牲にするしかないのか...と思案していたら

 ピンポーンとチャイムがなった。これは、完全に終わったなと思い、本をとりあえずベッドの下に隠し、玄関に向かう。


 俺が開ける前にもう開けていた。今は夏だから6時でもまだまだ明るく、そしてじいちゃんの後ろに誰かいることも分かった。

 じいちゃんは、少し日焼けしていて紙袋から、マカダミアナッツを取り出し、こう言った。

「ハワイに行ってきたお土産だ、有難く受け取れ」と言ってきた。


 老人会とかで、行ってきたのであろう。個人で行ってても英語とか喋れなさそうだし。


 俺は

「じゃあ有難く受け取る」と言ってチョコが溶けるのが嫌なので、急いで冷蔵庫に入れに行った。後ろを振り返るとじいちゃんが気づいて、手を振る。


 ここで違和感を感じた。何時もなら俺が隙を見せたこの時に、老人らしからぬ動きで素早く人の部屋へ行き、俺の薄い本を探りに行くのだが、今日は来ない。どうしたのだろうか。


 とりあえず俺はマカダミアナッツを冷蔵庫へ入れ、急いで玄関まで行った。

 じいちゃんは、急いで戻って来た俺に「さっき、有難く受け取ると言ったよな?その言葉二言はないな?」

 意図がわからず、俺はそのまま頷いた。じいちゃんは、口角を少しあげ、ニヤッとした。そしてじいちゃんは外にいる人に

「おーい、入ってきていいよ」と

 言った。


 玄関から、入ってきたのはとても かわいい、金髪碧眼の子だった。

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俺が一目惚れした彼女は... 水無月未奈 @Teriyaki765

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