転移した異世界でゲームの魔法が使えたので異世界ゲーマー取り敢えず無双してみる。
そら
第1話
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キーンコーンカーンコーン……
「あぁー!やっと終わったー!」
聞き慣れたチャイムが学校全体に響き、生徒達の気の抜けたような声が聞こえてくる
「よっしゃ!じゃあみんなゲーセン行こうぜ!」
「おう!」
クラスの中で仲のいい友達同士で放課後に遊びに行くのは日常の事となっている。
(あぁまたこれか...)
達也がイスから腰を上げ静かに教室から出ようとした時に
「おーい、達也もいかねぇーか?」
そんな中で、達也を誘う声が聞こえてくる。
しかし、
「あー、ごめん今日用事あるからパス」
「そ、そうかじゃまた明日な!」
おれはカバンを持って、すぐに教室を出た。
静まった教室を出た後、
「あいつ、学校にいる時は結構つるむのに放課後になったらすぐ帰るよな」
一人の男子生徒が言う、それに反応し、
「付き合いわりーよなー」
「まあ、そう言ってやるなよ、何か事情があるんだろ。」
教室からそんな声が聞こえてくる。
(そんな勿体無い時間すごしてられるかって)
そんな言葉を聞き流し、早足で家に向かった。
今年16歳の高校生の東野達也は
ゲーマーだ。
ある一つのファンタジー系のゲームにおいて、レートランキング(対人戦での勝率の様なもの)では2位にまでなった。
家に帰るとすぐにゲームを始め、起きて寝るまでゲームをしていることもあった。
正直、見た目などは気にして無いが、周りの友達から「眠そうな顔でイケメンが台無しだぞ!」とかよく言われる。
家族は父、母、妹、そしておれの四人家族で、妹だけはおれがゲーマーであることを知っていた。
そして、おれの妹…東野美加もゲーマーで戦略ゲームにおいては、おれですらまったく敵わなかった程だ。頭も達也よりも良く、成績もトップだった。おれが褒めると、
「わ、私がお兄ちゃんより凄いわけないよ…!」
とか顔を赤らめながら恥ずかしそうに言っていた。
おれの自慢の妹だ。
おれは別に友達がいなかったわけでは無い、断じて無い。遊びにもよく誘われたし、ただ正直、友達と遊ぶのは楽しいがゲーム程では無かったからだ。
この日は特に学校が終わるとすぐに家に帰ろうとしていた。
(今日は待ちに待ったイベントクエストの更新日だ!徹夜でゲームするぞ~!)
おれは今日更新されるイベントクエストが楽しみで仕方がなかった。
それは、今回更新されるイベントクエストの報酬が新しい魔法だったからだ。
おれはそのファンタジーゲームで魔法使いをやっている。
そして、そのゲームにある数百という魔法全てを取得していた。様々なイベントやダンジョンなどの報酬でもらえる魔法もすべてだ、1500万人ものプレイヤーがいるゲームでただ一人だけだ。
(思い出したらますます早くやりたくなってきたなぁ)
おれはもう少し早足で帰ることにした。
バキ!
ん?
信号を渡りきり、そこの角を曲がろうとした時に急いでいてカバンが開いていたため何かがカバンから落ちた。
足元を見てみるとそこにはPC用のゲームコントローラーが落ちていた、どんな時でもログインできるようにカバンに入れていたものだ。
「あ、相棒!」
おれはコントローラー(相棒)を手に取ろうと少し歩道から出た時、とっさに横から来た車と
衝突した、、、
「ん、、?」
達也は目を覚ました、目を開けてみるが真っ暗で何も見えなかった。
(あーそういえばおれ車に轢かれたなーいやー危なかった危なかったあやうく死ぬとこだったぜ!!ーアハハハハハ…)
いや、おれは死んだ。
轢かれた時途切れそうな意識の中で体が冷たくなっていくのを感じた。……多分。よく覚えてない。
しかし、初めて感じる死になぜか多少の恐怖も感じられなかった。
(じゃあ、ここは天国かーいや、おれゲームばっかしてたし地獄かもなー…)
もう何が何だか……
周りを見渡してみると真っ暗な中に光が見える。
体が正常に動くことを確かめながら、
達也はその光に向かって歩いていった、そしてその光の中に入るとそこは…
どこまでもどこまでも続く草原だった、
上を見上げると雲ひとつない真っ青な空が見える、
遠くの空に人より大きな鳥が飛んでいるのがみえる、
明らかに大きなアリなどもみえた。
そこはまるでファンタジーの世界、それこそ達也がゲームの中でいつも見ていた景色だった。
「…ハハハハハ!………なんじゃこりああぁぁあ!」
そう、ここからおれの
最強の騎士の物語が始まった。
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