126.ソラは≪飛行魔法≫を手に入れた

リーゼちゃんに手を引かれちょっと豪華な扉の前に来た。


「ソラ様。この宝物庫に幾つかの魔道具を保管しております。」


リーゼちゃんが部屋の扉にカギを挿して回すと扉がゆっくり開いた。


「フォルスの街は元々アントレ家とゆかりのない土地なのでここには我が家の家宝の魔道具はなく大変心苦しいのですが代わりにこの街に来た折に街を捨てた貴族達が持っていた魔道具を回収してこちらに納めてあります。」


すっかり忘れてたけど、アントレ侯爵ってファルスの街と全く関係ない貴族だったよね。


逃げ出した貴族が持ち出したのか一つの街にいる貴族が持つ魔道具をすべて集めたにしては数が少ないな。


「さっそく手に取って見ても良いですか?」


「ええ、私に構わずソラ様のお好きなようにご覧になってください。」


リーゼちゃんのお言葉に甘えて手元にあった杖を手にとってみる。


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《魔力解析》を行ないました。

《プログラム・火魔法》はすでに獲得しています。

**********


そうだよね、毎回新しい効果の魔道具があるとは限らないよね。


「そちらはおそらく護身用の魔道具と思われます。何かしらの攻撃用魔法が込められているのではないでしょうか。」


リーゼちゃんが親切にも簡単な解説をしてくれるらしい。


杖を置いてクリスタルが乗った台を持ってみる。


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《魔力解析》を行ないました。

《プログラム・光魔法》を獲得しました。

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「それではこちらはどんな魔道具なのですか?」


「そちらは照明の魔道具ですね。クリスタルが使われている分通常より高価になっています。」


そんな風にいろんな魔道具を手にとってはリーゼちゃんが説明してくれるがなかなか新しい《プログラム》を獲得できない。


もしかして今回は《プログラム・光魔法》だけかな。


ほとんどすべての魔道具を確認して諦めかけた俺を神は見放していなかった。


最後の最後に最大の成果がやって来た。




これは絨毯?


さっそく手に取ってみる。


***********

《魔力解析》を行ないました。

《プログラム・飛行魔法》を獲得しました。

***********


魔法の絨毯ってまたベタな魔道具だな。


「こちらは一応空を飛べると歌われた絨毯らしいのですが、絨毯に何かを載せると飛べなくなると言う全く使えない魔道具です。」


「物を載せて飛べたらすごいですけど残念ですね。」


俺にとっては大当たりの魔道具だ。


これで移動が大幅に楽になる。


「ソラ様。これで魔道具はすべてお見せしました。」


「ありがとうございます。大変参考になりました。」


「それではそろそろお父様も報酬を決めているでしょうから戻りましょう。」


リーゼちゃんに連れられて再びアントレ侯爵がいる部屋へと入っていく

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