115.一人だけ別ルート
「ソラ、この宝箱に目的のものが入っているのか?」
あ、忘れるところだった。
俺達はエンシェントエルフの指輪を手に入れにきたんだった。
なんかドラゴンなんて大物を倒したから物凄い達成感ですっかり忘れてたよ。
いかんいかん、美女との約束を忘れるなんて弛んでいるな!
気合を入れねば!
あ、そうだ忘れないうちにドラゴンも回収しておこう。
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・劣化竜レッサードラゴンの亡骸
最下級のドラゴンの亡骸。最下級と侮ること無かれ。竜種と言うだけで他の魔物とは一線を隔す。
鱗、キバ、爪、肉、血など様々なものが獲得できる。
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「はへ・・。」
「なんだ、ソラ変な声が出てるぞ。」
「ああ、さっき戦ったドラゴンって最下級のドラゴンらしい・・・。」
「つまりもっと強いドラゴンと戦えるんだな!」
「ブヒブヒ」(アレで最下級かよ・・・。)
(ドラゴンコワイ)
ジンよ、いくら頼まれてもあれ以上の魔物とは絶対戦わないぞ!
はぁ、もう二度と戦いたくないと思った魔物が最下級とはなぁ。
まぁ、ドラゴンだから強いのは確かだけど、アレより強い奴がまだ居るのかよ。
落ち込んでいても仕方がない。
とにかく宝箱の中身を確認しよう。
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・伝心の腕輪
遠く離れた場所でも互いに話ができる魔道具
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・・・・・あっれ~?
エンシェントエルフの指輪は何処に?
「ソラ、コレ違うよな?」
はい、違いますね。
ってことはまだ迷宮の探索続くのかぁ~。
「とりあえず今日は疲れたしもう帰るか?」
「そうだな、さすがの俺も疲れたぞ。」
「ブヒブヒ」(飯食って寝ようぜ)
(ツカレタ)
やっぱりみんなも疲れているようなのでさっさと帰還用魔方陣を使って帰ることにする。
俺が帰還用魔方陣に乗ると機械音のような人間味のない声が聞こえてきた。
「世界樹の魔力を感知しました。転送先を変更します。」
えぇぇ!
そんな急に転送先を変えられるのは困りますよ!
俺の困惑は全く考慮されることなく転送が始まってしまった。
転送が終わり俺が立っている場所は外では無いのでおそらくまだ迷宮内とだろう。
しかし今まで居た場所のように石で覆われたトンネルみたいな雰囲気は全く無い。
周りは青々と茂った様々な植物で覆われている。
どうやらここに転送されたのは俺一人みたいでジンもパッシーもポックルさえもいない。
俺の癒しポックルだけでもいてほしかった。
とりあえず我らが地図アプリ様で帰る方法が無いか確認してみる。
さすがは地図アプリ様、一本道の突き当たりに帰還用の転移魔方陣があることを教えてくれた。
今は植物を掻き分けながら転移魔法陣目指して進んでいる。
最近当たり前になっていたけどポックルの植物魔法無しだとステータスが上がった今でも鬱蒼とおい茂る植物を掻き分けて進むのは大変だ。
とは言っても距離自体は500メートルほどなのですぐに着くはずだ。
実際もうすぐ転移魔方陣の位置だ。
急に開けた場所に出た。
そこには転移魔方陣と植物で出来たように見える台座があった。
その台座の上には手の形をした台があり指輪が付けられているようだ。
もしかしなくてもコレがエンシェントエルフの指輪なのか?
《直感》さんも取って大丈夫と言っているのでそっと木製の手形から指輪を外した。
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・エンシェントエルフの指輪
精霊樹、エンシェントエルフとの契約に必要な道具
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精霊樹ってなんか聞いたことがあるなぁ。
まぁ、考えても分からないからルシアさんに教えてもらおう。
ジン達も心配しているかもしれないからさっさと帰還魔方陣で帰ろう。
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