第1話 壁(24p)
大体、壁の向こうの彼……今西先生は私の話を信じてくれるのだろうか?
こんな事を話して本当に大丈夫なのだろうか?
私の頭の中は、再び疑心暗鬼で支配された。
『疲れ目の目薬を出しますので、様子を見ましょう』
『少し、疲れているのかも知れないね。だから、壁が見える気がするんだよ』
『精神的な問題かも知れませんね』
『精神科を受診されては?』
私の頭の中を、今まで沢山の医者に言われて来た台詞がグルグル回った。
「吉永様、大丈夫ですか?」
今西先生の心配気な声がする。
私は声のする方を、今西先生がいるのであろう方を見た。
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