第1話 壁(6p)
「竹山様のご紹介で……あの、問診票にi科受診希望と有りますが?」
「ああっ……マドモアゼル・ヘラ……竹山さんからそう書くようにと聞いたんですけど」
マドモアゼル・ヘラこと竹山から渡されたメモにはここの連絡先以外に、問診票のその他の欄にi科受診希望と必ず書く事と有った。
私はメモの指示通りにしただけだった。
「竹山様のご指示でi科を……そうですか。お客様、疲れ目で目が見えにくいと有りますが、この症状で以前他の医院に掛かられた事はございますか?」
「いくつか有りますけど。検査も散々しました。でも、どの病院もやる事は同じで、眼鏡を作らされたりドラックストアにも置いていそうな疲れ目用の目薬を処方されたりで、症状が改善された様な感じはあまり……」
「そうですか。分りました。では、お掛けになって少々お待ち下さい」
受付の女性はそう言うと私の問診票に何か書き込み、そして電話を掛け始めた。
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