ようこそ異世界鍛冶工房へ!

九の字

第1話 鍛冶スキル、いただきます!

 ・・・暗い。なぜ目が開いているのに何も見えない?なんか身体の感覚もないし。それに俺は誰だ?思い出せ・・・。確か名前は・・・葉咲はざき しん


「・・・もし。もしもーし?聞こえてます?」

『え?どちら様??』

 人の、声?全方位から聞こえるんだが。

「ああー、聞こえてるね。簡単に自己紹介するね。わたしは君たちの言葉でいう、神、そのものだよ。」

『いきなりぶっとんでるなあんた。じゃあ今の俺の状況について教えてくれませんか?』

「うん、早速簡単に説明するよ。君は交通事故で死んだ。即死さ。覚えてないかい?」

『・・・いや、覚えていない。マジか。俺、死んだのかよ。』

「その様子だと記憶が吹き飛んだみたいだね。さて、ここにわたしがいる理由だけどね、交通事故したことが原因さ。」

『まさか輪廻転生するってことか?』

「おや、察しがいいね。そうだよ、君は生まれ変わるのさ。でもそれは当たり前のこと。わたしがいなくてもそんなのは勝手に・・・っと、話がずれたね。簡単にいうとね、君は覚えてないみたいだけど、君は交通事故の際に子供を庇った。わたしはその姿に感動したのさ。」

『なぜか今のフレーズでウルト○マン思い出した。』

「おやぁ?彼を知って・・・、何でもないですよ~?独り言ですから。さて、本題。わたしは君の行動に感激した。よって君には記憶を保ったまま転生する権利を与えましょう。」

『マジっすか!?記憶保ったまま転生?!よっしゃぁ!!』

「元の世界に戻ることはできませんがね。希望する世界はあるかな?」

『そうですね、魔法と剣のある世界で尚且なおかつ、魔王が支配していて殺伐としてるなんてことのない、比較的平和な世界がいいです!』

「ふむふむ、具体的でよろしい。他はないかね?」

『ん~。そうだ!鍛冶師になるの俺、夢だったんですよ。鍛冶に必要なスキルがほしいです!』

「鍛冶スキルねぇ。スキル関連のある世界だとどうしても殺伐とした世界に絞られるねー。」

『そっか。ならスキルはいらない!地道に身に着けますよ。元の世界でもそのつもりでしたし。』

「ほほぅ。面白いことをいう。出来れば簡単に教えてくれないかい?鍛冶師を目指す理由を。」

『大したことはありませんよ。俺、普通に刀剣が好きでしたし、俺の父さんの知り合いが料理人やってて、よく包丁見せながら「美味い料理ってのは良い素材・良い腕・良い道具がそろってやっとできるんだぜ坊主?」て、聞かされたのが目指した切っ掛けかな。俺、グルメだしw』

「素晴らしいことと思いますよ。では多少平和とは言い難いですが、あなたにお勧めの世界があります。」

『・・・そこでお願いします。』

「よろしい、早速はじめます。あ、この世界は鍛冶スキルありますけどどうされます?」

『よろこんで!鍛冶スキル、いただきます!』

 すると意識が急激になくなっていく感覚が・・・。これが・・・転生・・・・・・。


「あなたに今度こそ、素晴らしく幸せな日々があらんことを・・・」

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