嘘吐き王子と正直な少女と森の魔女
鬼宮鬼羅丸
お話のはじまり
プロローグ とある王国のお話
むかしむかしあるところに大きな王国がありました。
世界中のいろんな物や者が集まる世界の中心でした。
王国の民はみんな驕り高ぶり平気で嘘を吐く嫌な奴でした。。
そんなある日、王様は王子様の誕生日パーティーを開きました。
それには国中の人たちだけではなく王国の外の人たちもたくさん集まりました。
しかし、王様は王子様の為にパーティーを開いたのではありませんでした。
ただ、自分が子供の誕生日を祝うやさしい父親だということをアピールしたかったのです。
集まった人たちも王子様の誕生日を祝いに来たのではありません。
王様にに参加したぞとアピールするかいろんな人に顔を売るため、つまり、みんな自分のためだけにこのパーティーに集まったのです。
王子様はそれを知っていましたが悲しみもせず気にもしませんでした。
王子様も自己中心的な暴虐非道の人でなしなのですから。
王様にもお妃様にも平気で嘘を吐きますしたくさん人を騙します。
そして、娯楽欲しさにたくさんの家族をこわしてきました。正直者が大の苦手でもありました。
みんながみんな自分さえよければそれでいいと自分勝手にしていたその時です。
一人の恐ろしい魔女がパーティー会場に入って来ました。
髪は大変長く真っ白で、黒いローブを着ていました。
王国の外にある誰もが恐れる魔女の森の支配者なのです。一度入れば二度と出れない、恐ろしい人食いの化け物が住む、とね。
衛兵は驚きかたまり王様やその他もみんな真っ青になりました。
王子様も例外ではありません。顔を真っ青にして口をパクパクさせています。
「な、なぜ、ま、、魔女様が、っここにっ来られたのでででですか?!」
さすがは王様、腰を抜かして震えながらそう言いました。
魔女はにこやかに笑いました。口が裂け三日月のようになり怖くなります。
「なーに、薄汚れた王国の洟垂れのガキが一匹まーた一歳余計に年を喰ったと聞いてな。祝いに来たのだ。そこに、ぼーうっと突っ立っておるろくでなし王子よ。プレゼントをくれてやろう。魔法の力をな。お前さんは正直者かい?」
いつも嘘ばかり吐いている王子様はいつも通りつい嘘を吐いてしまいました。
「は、はい、そうです」、と本人の意思とは裏腹に。
それに対し魔女はさらに笑みを深めました。怒気が滲み出ていてさらに怖くなります。
「ほう、そうかい、この嘘吐きめが!わたしゃな嘘が一番大嫌いなんだ。なんでお前さんらはは平気で嘘を吐くッ。大切なものを失うとは知らんでな。知ってからでは遅いというのに。なんで分からないのかえ?わたしゃ嘘を吐かないからね、魔法の力を与えようじゃないか。嘘を何とも思わん奴は動物に変えてやる!」
魔女はそう言うと右手を王子様にかざしました。
すると、金色の光が王子様を包み込みます。それは、黒色の光に代わると王子様は黒い猫に変わってしまいました。
「ひーっひひひひひ、黒猫かい?お前さんに似合ってるじゃないか。どうだい魔法で猫になった気分は?力がみなぎるだろう?」
その言葉に黒い猫は狂ったように鳴きはじめました。見た目が猫になったでけで中身は王子様のままなのです。
魔女は黒い猫の首根っこを掴んで持ち上げました。すると黒い猫は唸り声をあげて魔女の腕を引っ掻こうとしました。しかし、持ち方のせいでそれができません。
「ほーう、威勢だけはいいどら猫だね。さてさて、どら猫にははこの城はちと贅沢だねぇ。わたしゃの森に連れて行こうかねえ」
そう言うとそのまま魔女は王子様を連れて出て行こうとします。
みんな恐怖で足がすくみ動けないので誰も止めません。
「ま、待ってくだされ、ま、ま、魔女様 ひ、ひぃぃぃぃぃ…」
王子様は勇気を振り絞り言いますが、魔女に睨まれて気絶してしまいます。
周りのみんなも金縛りにあい動けません。
魔女は周りを見渡すと舌打ちをした。
「いいかい、お前さん方。わたしゃ嘘吐きが大嫌いだ。自分勝手な奴も欲深い奴もみんな大嫌いだ」
魔女はそう言うと黒い猫を連れて月の浮かぶ闇夜の向こうに飛んで行ってしまいました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます