第3話 突入!
新入生たちも一応、武器らしき物は持っている。
竹刀や木刀、グラスファイバー製の棒、学校備品のモップの柄、など。
どれも、武器というのには心細い、かなり他愛のない物ばかりだった。
例によって上級生たちが例によって、
「低階層は、その程度の装備で十分だよ」
と、請け合ったからである。
「倒せば倒すだけ、早く強くなるんですよね?」
新入生の一人が、引率役の先輩に訊ねた。
「基本的には、そうだ」
引率役の先輩は、そう答えて頷く。
「シンプルだろう?」
「それじゃあ、みんな」
その新入生は、バッタの間の方向に一歩踏み出して、いった。
「さっさとやって、さっさと終わらせようよ」
そして、その言葉をいい終えるか終えないかのうちに、手にしていたモップの柄を振りかざしてバッタの間に突入していく。
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