第37話 王子様だ。

「あなたよ! 決まってンでしょ!!」

 藤峰子は腹を抱えて笑っていた。


「ま…、まさか……!?」

 ボクは唖然とした。

 正真正銘のイケメンだ。まさに目鼻口のバランスが絶妙だ。

 美しいと言った表現がピッタリだ。

 整形したように左右正対称になっていた。

 このまま白馬にまたがれば王子様だ。


 これが、【シンデレラ・フェイス】の効力なのか。


 これは、魔法ではないのか。

 ボクは鏡に写しながら、頬をつねったり、鼻を摘まんだりした。


 どう試してみても、やはり鏡に写るイケメンはボクのようだ。



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