第32話 痛いの

 多少、湿り気があり肌にフィットする感じだ。人工の皮膚と言った所か。


「初めは、ちょっと痛いかもしれないけど、すぐに治まるわ」

 藤 峰子は事もなげに言った。


「え…? 痛いの」

「フフン…、陸橋から飛び降りる気だったンだろ? それに比べたらやぶ蚊に刺されたようなモンだよ!!」


「はァ…? やぶ蚊に…、そうだけど……」

 痛いと聞き少し躊躇した。


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